第17章 始動
「日向カッコイイね!このポスター良いと思うよ!」
「確かに。これなら目を引くし良いんじゃない?被写体はあれだけど
よく撮れてるじゃん」
山口くんと月島くんも褒めてくれた。
「ってか・・・なんで僕の席でご飯食べてるの?自分の教室行きなよ」
「一ノ瀬の話聞くついでにみんなで昼飯食べたっていいじゃん!」
「影山!?飲み物こぼれてるよ!!!」
山口くんが慌てて拭こうとする。
「あ、わりぃ」
「ちょっと!!牛乳こぼすとかやめてよ!どういう嫌がらせなの!」
「よし、わたし武田先生のとこ行ってくるね!」
影山くんのこぼした牛乳がかかる前に急いでポスターを丸めた。
被写体の日向くんに許可をもらったので次は急いで武田先生の元へ。
「失礼します!」
ドアを開けキョロキョロと先生を探す。
良かった!ごはん中だけど職員室にいてくれた。
「あれ?一ノ瀬さん。どうしたの?」
「お食事中にすみません。実は・・・」
東京合宿の話を聞いてしまったこと、何か出来ないかと考えて寄付金を募るポスターを作ったことを報告した。
「これを作ってくれたの!?凄いなぁ・・・」
広げたポスターをまじまじと見つめる。
「うん!すごくいいと思うよ!印刷とか手続きとかは僕に任せて!!」
「ありがとうございます!あとは貼ってくれる場所を見つけないとですね・・・」
「それも僕のほうで探してみるよ!」
放課後、ジャージに着替えて体育館に入ると日向くんが駆け寄ってきた。
「一ノ瀬!さっきのポスターの写真って今ある??」
「うん、あるよ」
スマホにも画像は入れてある。
「研磨に送ってよ!見せたい!」
子供みたいにキラキラした瞳の日向くんに言われて思わず笑ってしまう。
写真付きのメッセージを送るとすぐに研磨くんから返事が届いた。
”これ翔陽?”
画面を日向くんに見せると嬉しそうに電話を掛ける。