第13章 烏野vs青葉城西 ②
2セット目、大王様のサーブが回ってくると・・・
「サーブレシーブが二人体制になった!?」
「練習で見たことないです」
「後衛にレシーブのうまいリベロと主将を回したんだ」
嶋田さんたちに解説してもらっていると、横で見ていた女の子たちもこちらの会話に耳を傾けた。
「わたしたちバレーよく分からなくて。一緒に聞いてていいですか?」
モチロン、と滝ノ上さんが笑顔で答える。
「さっきは4人で対応してごちゃごちゃしたから、少数精鋭に切り替えたんだね」
なるほどー、と女の子たちがうなずく。
大王様のサーブを澤村先輩が上げ、菅原先輩がトスを託したのは・・・田中先輩。
しっかり決めて大王様のサーブを1本で切る!
第2セット、戦況は一進一退を繰り返していたが・・・
「あっ!」
烏野の攻撃がブロックされる。
「連続得点・・・青城のブレイクだ!」
田中先輩に続いて、日向くんも青葉城西にブロックされてしまう。
セッターが菅原先輩から影山くんに交代した。
日向くんと影山くんの攻撃が決まり始めて徐々に烏野に勢いが出始める。
「あと1点でこのセット取れますね!」
「ここで及川くんのサーブか。でもミスったらこのセット落とすわけだし、強気では・・・」
滝ノ上さんが言い終わる前に凄い音を立てて大王様がサーブを打った。
「思いっきり強打!?」
ボールは西谷先輩に向かって飛んでいく。
「上がった!」
「でも直接青城側に返っちまう!!」
大王様がボールを上げたのは岩泉さん。
「影山くんと月島くんが止めた!!」
2セット目を烏野が獲り返す。
ついに試合は最終(ファイナル)セットを迎える。
「なかなか決まりませんね・・」
長いラリーが続く展開。
見てるほうだってこんなにしんどいんだから、コートで戦っている選手たちの疲労は凄いと思う。
「3セット目までくると相手の攻撃パターンにも慣れてくるからな」
影山くんのワンタッチで烏野のチャンスボール。
日向くんが一気にコートの端っこに移動した。
「あのちっちゃい子一気に端っこまで・・・」
3対3の時に見た、一瞬でブロックを置き去りにするあの攻撃!
「決まったぁぁーー!!」
「日向くんナイスキー!」