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約束の景色

第8章 運動部 壮行式


「写真撮るために部活中にカメラ持って走りまわってるんだけど、その姿がなんか可愛くてさ。
他のやつらも練習よりそっちが気になっちゃうみたいで。
写りたくてカメラの周りウロウロしてばっかのやつとか、変なポーズするやつもいるし。見てるだけで面白くてつい笑っちゃうんだ。
でもいざ自分にカメラ向けられると・・・やっぱ緊張するよな」
「聞いてるだけで楽しそうだね。いいなぁ。・・・ん?」
周りをキョロキョロしながら歩いている一ノ瀬を見つける道宮
「あの子1年生かな?なんか初々しくて可愛いね」
私たちもあんな頃あったよね~と道宮が指さした先に澤村も目を向ける。
「一ノ瀬!」
「え?知り合い??」
「あの子、さっき話してた部活の後輩なんだ!」
嬉しそうに駆け寄っていく

「どうした?3年の階に来て。何かあったか?」
「澤村先輩!お疲れ様です!清水先輩を探してて・・・お昼休みに明日の写真選びする約束なんです」
「清水のクラスは・・・まだ授業終わってないな。写真大量だから二人じゃ大変だろう?俺も手伝うよ」
「ありがとうございます!」
「今週ずっと撮ってたから疲れたろ。よく頑張ったな、ちょっと早いけどお疲れさん」
そう言って一ノ瀬の頭を優しく撫でる澤村
そこへ菅原と旭もやってきた。
「一ノ瀬じゃん!どうした?」
「これから清水と二人で写真を選ぶらしいんだ。だから俺も手伝うって言ってたとこ」
「俺も時間あるし手伝うよ。どんな写真撮ったのか見たいし」
「じゃあ人数多いほうが早いしみんなでやるべ。なら広いところでやるのがいいよな・・・あっちの空き教室どうだ?」
「旭ナイスアイデア!俺購買行って昼飯買ってくる!
一ノ瀬何か食べたいものある?頑張ったご褒美に奢ってやるぞ~」
「じゃあ俺も弁当持ってくるわ」
1年生を囲んで3人は楽しそうに話していた。

「(澤村って本当に面倒見いいよね。でも・・・女の子とあんなに楽しそうに話してる澤村は初めて見るかも。そんな顔して女の子の頭撫でてあげるんだ・・・
あの子キラキラしてて可愛いもんね。3人とも”可愛くてしょうがない”って感じあふれ出ちゃってるし。
あんな後輩いたら・・・そりゃほっとけないか)」
自分に芽生えてしまった感情がこれ以上大きくならないように、道宮はその場を離れた
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