第7章 GW合宿 カラスvsネコ
試合前、円陣を組む黒尾さんからチョイチョイと手招きされる。
ここ入って、と指示され研磨くんと黒尾さんの間に加わり皆の真似をして右腕を出す。
「今は一ノ瀬ちゃんも音駒の一員だ。しっかり参加してもらう」
俺たちは血液だ 滞り無く流れろ 酸素を回せ ”脳”が正常に働くために
「行くぞ」
「「「あス!!」」」全員が気合を入れる
「クロ・・・これやめようよ」なんか恥ずかしいし・・とつぶやいた
「なんでだよ。いいじゃんか。一ノ瀬ちゃんもそう思うだろう?」
「はい!すごくいいです!なんかこう、気合入ります!」
キラキラした瞳で黒尾を見て何度もうなずく
「えっ・・・」
一ノ瀬の反応に呆然とする研磨とその研磨を見て笑いだす部員たち。
「ぶはっはっはは!いいねいいね!研磨、これやり続けるからな!そして今日はぜってぇー俺らが勝つ!」
「「「おぉ!!!」」」
猫又監督の横に座り試合を見る
「どうだ?うちのチームは」
「まとまりがあってすごいです。それに全然ボールが落ちない!みんなが研磨くんに集中してるように感じます」
「ハハハーッ!馬鹿正直な感想だな。俺はそういうの好きだ。お前さんは初心者みたいだし、素直だ。
だからこそシンプルでストレートな言葉が言える。
飾らないそういう言葉は選手たちに刺さるぞ。そのままでいい。
今はまだ空っぽな状態だからな。色々吸収しろ。わからない事はなんでもあいつらに聞け!教えてもらう事を恥じるな。
今日は俺たちの全部盗む為にこっちにマネージャー修行に来たと思って利用してけ!」ニカッと笑い、背中を叩く。
ずっとガチガチに緊張していたことに気づいていてくれたのだろう。
猫又監督の心遣いが嬉しい。
烏野のみんなをベンチから見る。対戦相手側から試合を見るのは初めてだ。
せっかくいただいた機会を無駄にしないように、もらえる知識は1つ残らず全て吸収しよう!