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約束の景色

第61章 黒い雲 ①


「冷えてきたし怪我も怖いから、今日は走り込みからいくぞ!」
大地先輩の掛け声で部員たちが外に移動していく
「学校の周り1周な!」
「「「うーす」」」

部活前なのでまだ全員は揃ってない。
今日から影山くんは東京へ、月島くんと日向くんは白鳥沢の合宿へ出かけて行った
「あれ?日向がいないの珍しいな」
日向くんが白鳥沢へ行ったことはまだ誰も知らない
なんとか練習に混ざれるといいんだけど。うまくいったかな?
「私も・・・一緒に走ってみていいですか?」
たまには体力つけるためにやってみたい
「一ノ瀬ちゃん頑張ろうね!」
山口くんと軽く準備運動を始めた
大地先輩の合図でみんなが走り出す
当たり前だけどスピードが違う。差はドンドン開いて行った。
「一ノ瀬!無理しないペースで」
途中まで並走してくれてた縁下先輩がそう言った後ペースを上げた

みんなの背中は小さくなっていくけど、焦らない。
「(ちょっとずつだけどちゃんと進んでる)」
規則的な呼吸を繰り返して、ただ前だけを見た
影山くん、月島くん、日向くんもそれぞれの場所で頑張ってる。
負けてられない
「(私もみんなと次会うまでにレベルアップする!)」

2/3くらいまで走ったところ、道端で手を振る人がいた。
「おっ!きたきた。ずっと走ってる?思ったより早かった」
スガ先輩が大きく手を振る。近くまで行くと並走してくれた。
「GW合宿の時はヘトヘトになってたけど、この調子なら最後まで走り切れそうだな?」
「・・・やってみます!」
もうすぐ終わりだって思うと一気に疲れがくるからとにかく足を動かすことに集中。
ゴールの校門が見えてきた!
みんながこっちを見守ってる。
「ラストもうちょい!」
スガ先輩の声にうなずいて答える。
呼吸が荒くなってかなりしんどいけどラストスパート!

ヘトヘトになりながらなんとか到着
山口くんが私たちに飲み物を差し出してくれる
「一ノ瀬ちゃん、ハイ」
「あ、あり・・がとう」
「一ノ瀬、よく頑張ったな!ナイスランだった」
スガ先輩が褒めてくれた。
あの頃の私よりちょっとだけ前進できたかな?

体育館に戻ると烏養コーチの怒鳴り声が聞こえてきた。もしかして日向くんの事?
「日向、例の1年の強化合宿の乗り込んだらしいです。で今白鳥沢に居るって・・・」
「はぁっ!?」
どうか乗り切って~!
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