第55章 決勝戦 vs白鳥沢⑤【歓喜】
帰りは烏養コーチからのご褒美でみんなでご飯。
前回は泣いてあまり味が分からなかったが、今回はしっかり味わえる。
「お前ら本当にお疲れ様。凄かった、本当」
「みんな本当に凄かったよっ・・・!!!」
武田先生はずっと泣いている。
烏養コーチが選手たちを称えたあと、潔子先輩と私の方に視線を移した。
「それに清水と一ノ瀬も本当にお疲れ様。
お前達のサポートがあったから全員が100%の力出して毎試合戦えたんだ。うちにとってなくてはならない存在だな!」
嬉しい言葉をかけられて潔子先輩と二人で満面の笑みになる。
「その顔見せられちゃこいつらも頑張らないわけいかないしな」
笑ってそう言う烏養コーチの言葉にみんなが大きくウンウンうなずく。
「潔子さんとみなは、俺たちにとって勝利の女神だからな!」
西谷先輩が嬉しそうに言った。
「一ノ瀬!これもう食べた?美味しいよ!!」
目の前に座る日向くんが生姜焼きを渡してくれる。
「これも美味いぞ!まだ食ってないだろ?」
影山くんが山盛りの唐揚げを渡してきた。
「おいおい。一ノ瀬は子供じゃないんだから自分でとれるだろ?
・・・おい、こっちのこれも美味いぞ。もう食べたか?」
「大地だって渡してるじゃん」
スガ先輩につっこまれて笑う大地先輩。
「潔子さん!みな!デザートあるって!頼みますか?」
西谷先輩が壁にかかっているポスターを指さした。
ポスターにはバニラとストロベリーのアイスが描かれている。
「!!! 食べたいです!潔子先輩も食べましょ」
「美味しそう。うん!食べよう」
「俺も食べたいです!ツッキーも頼もうよ。これ好きでしょ?」
隣に座る月島くんの顔を見た。
「月島くん甘いの好きなの??」
「・・・悪い?」
「ツッキーはイチゴ好きなんだよ!」
「そうなんだ!頼もう、頼もう!」
「おれも食いたいです!」
「月島と山口に翔陽もだな?おばちゃん!このデザート5つね!」
「おいっ!お前ら勝手に頼むなよ。烏養さんすみません・・・」
「いいよいいよ。食べたいやつみんな頼め。武田先生のおごりだ!」
「えっ!?いや、勿論です!みんな好きなの食べて!」
「嘘だよ。俺と武田先生のおごりだ。いっぱい食って壊れた筋肉修復しろよ~!」
みんなが笑顔で食べられるご飯が一番美味しい