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約束の景色

第55章 決勝戦 vs白鳥沢⑤【歓喜】


急いで下に向かう!
ちょうどみんなが荷物を手に体育館から出てきたところ
こちらに気付いた日向くんが大きく手を振った。

さっきまでの試合を思い出して一気に涙が込み上げてくる。
本当に、本当に!すごい試合だった!
「(なんで私が1番に泣くんだ・・・)」
零れ落ちないように必死に堪える。
「春高・・・出場、お・・めでと・・・うございます」
震える声でなんとか言えた。
「おいおい。他人事みたいに言うなよ。お前も一緒に戦った仲間だろ?
・・・お疲れさん。ずっと一ノ瀬の声聞こえてたよ。すごく力になった」
大地先輩が満面の笑みで言った。

「そうそう!みなの声ちゃんとコートまで届いてた!
スゲーよな!?白鳥沢の応援団に負けてなかったんだぞ!」
西谷先輩がレシーブの動きをする。
「”絶対ウシワカのボール上げてやる!俺を狙ってこい!”って気合入った!」
苦しい場面で何度も牛島さんのボールを拾った守護神が笑う。
後ろでみんなも嬉しそうに笑った。最高の笑顔。
「(すごく良い表情してる)」
みんなの嬉しそうな笑顔を見ていたら、涙は引っ込んで私も笑ってた。
「すごかったです!うちの学校!!本当に強かったです!」
「そうだろ?そうだろ?もっと言っていいぞ」
田中先輩が自慢げに胸を張る。横で縁下先輩が呆れたように笑った。

「日向くんも影山くんも、月島くんも山口くんも!
この試合、大活躍だったね!同じ1年生として興奮したよ!!」
「月島が下がったあと、山口がすごかったんだ!めちゃくちゃ攻めのサーブ打ってさ!」
「そうだったんだ!山口くんさすが!」
エヘヘと照れたように山口くんが頭をかく。
「日向くんの最後の攻撃!初めて見るやつだった!」
「コイツ・・・あの場面でいつもと違うことしてきやがった!」
「でもお前トス上げてくれたじゃんか!」
「みんな体力は大丈夫そう?」
今回は初めての5セットマッチ。
ちょっと足をひきずるように歩く姿を見て心配になる。あれだけ動いたんだ、疲れてるよね。
「バテ山くんダイジョウブ?」
日向くんがからかうように言えば影山くんが跳び蹴りをする。
「試合後にそんな動けるなんて君たちなんなの?」
「二人ともケガしないでよ」
あっ、思ったよりみんな元気そうかも
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