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約束の景色

第53章 決勝戦 vs白鳥沢③【幾望】


「ワンタッチ!!!」
コート外まで飛んだボールを旭先輩が繋いだ!
「さっき日向くんが拾ったみたいに、今度は旭先輩が!」
「いいんじゃねぇの!ああいう”レベルの高い当然”ができるっつうのは」
あとのない烏野が必死に王者にくらいつく

「えっ??」
今は白鳥沢の攻撃。それなのに日向くんがまるでスパイク打つみたいにネットから離れて助走距離を確保した!・・・かと思えばものすごい勢いでネットのほうに走ってくる!
「止めた!」
「ナイスブロック!!!」
ブロック高く跳ぶための助走!?
「助走の有無で20~30㎝はジャンプ変わってくるよ。でもあれは、スパイク打つ気かと思った」
「MBはただでさえ跳ぶポジション。更に日向は身長的にずっと全力のジャンプで人一倍動き回ってる・・・。スタミナ平気か?」
「俺もMBだったけど上手くサボることばっか考えてたのに」
攻撃でも跳ぶし、ブロックでも全力で跳び続ける。

自分がこのコートで戦う為にはどうしたらいいのか?
日向くんはそれを分かってる。
「日向くんはサボらないです。きっと自分が今やらなきゃいけない仕事分かってるから・・・どんなに苦しくても毎回100%の力で跳んできます!」
もがきながら全力で前に進み続ける日向くんのこの背中、見てきた!
「チビ太郎の良い理解がいるみてぇだな」
烏養監督が楽しそうに笑う。
「日向くん!行けぇー!!」
横から飛び込んできた日向くんを田中先輩が体で支える!
「ワンタッチィィイイ!!」
次の瞬間コートの反対側に走り出した。
日向くんの動きに気を取られて一瞬ブロックが遅れたところに、田中先輩のスパイクが決まる。

点数は21-22。烏野が1点リード。
ここでピンチサーバーとして山口くんが出てくる。
「うまい!」
「ウシワカ牽制したぞ!」
8番の選手に対して3枚ブロック。
「ナイスワンチ!」
影山くんが月島くんにボールを上げた。
飛ぶと見せかけて月島くんがグッと踏み込んでジャンプ。
「一人時間差!?ここで決めるなんて!」
「???」
「そう何度も通じる手ではないんだ。リード・ブロックには通用しないしね」
「おぉーーー!”ここぞ!”という時まで待ってたわけね!」
「山口くんのサーブでチャンス作って、月島くんの一人時間差!
二人のナイスコンビネーションですね!」
嶋田さんと明光さんがフフン!と自慢げに腕を組んだ。
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