第52章 決勝戦 vs白鳥沢②【眈眈】
第2セットが始まった。
シンクロ攻撃、旭先輩のスパイクで烏野が得点を重ねていく。
「ナナメに跳んだ!」
日向くんも攻撃を仕掛ける!
でも白鳥沢の5番の選手が止めた。
『ウワ~出た・・・ゲス・モンスター・・!!』
「???」
近くで試合を見ていた他校の部員がつぶやいた。
「(ゲスモンスター?)」
大地先輩が上げたボールを影山くんが打つ。
「あっ!」
さっきの日向くんの時と同じく、5番の選手がどシャットで止める。
「連続で止めた・・・」
なんで?まるで打つ場所が分かってるみたい。
「あれはゲス・ブロック」
「?」
「リード・ブロックは分かるよね?ボールを見てから跳ぶブロック。
反応はちょっと遅れるけど最も万能なブロックだ。
・・・あの5番の子がやってるのは、読みと直感の”ゲス・ブロック”。トスが上がる前に攻撃を読んでほぼ直感で跳ぶ」
「直感!?じゃあ外れることも?」
「当然あると思う。下手すれば味方ブロックやレシーブを邪魔することだって・・。でもあの選手は読みが鋭いんだな。それにその読みに体が反応できる」
「そんなのどう対応したら・・・・」
「「・・・」」
冴子さんと二人ウンウン唸る。烏野はどう対応したらいいんだろう。
「どんなフェイク入れても読まれそうだな」
嶋田さんが苦しそうにコートを見つめる。
白鳥沢のサーブを大地先輩が上げて影山くんに託した。
「(綺麗・・・・)」
思わず見とれてしまう
トスを上げる影山くんの無駄な動きが一切ない動作。
そして日向くんがスパイクを決める。
「!!? スパイク決まるまでどこにボール上げるか分からなかった!それに5番の子の頭の上を打ち抜いたぞ」
「さすが負けず嫌い!二人ともナイス!」
明光さんとハイタッチする。
「日向たちが横幅いっぱいのブロード攻撃を仕掛けるようになったな。ブロック振り回してけよ!」
「いいぞ!ガンガン決めてけー!」
烏野がノッてきた!と思い始めたところで、牛島さんの強烈のスパイクが決まった。
「「「・・・・」」」
会場内のみんなを黙らせる1発。