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約束の景色

第52章 決勝戦 vs白鳥沢②【眈眈】


2本続けて牛島さんのレシーブを取れなかった
・・・でも焦りや不安は無さそうな気がする。
「(西谷先輩が集中してるのが分かる)」
多分、いま・・・先輩の頭の中には取れなかったからどうしよう?なんて考え1ミリもない。

”俺に来い!俺を狙ってこい!”

きっとそれしかない!
烏野の守護神!西谷先輩ならきっと上げてくれる!
「西谷先輩!ファイトー!」

「サッ 来オォォイ!!」
気合の入った叫び。
牛島さんの放ったサーブは大地先輩と西谷先輩の間くらいに飛んでいく。
反応した西谷先輩がボールの落下点に動き出した。
ボールの勢いを完璧に抑えて、フワリとセッターにトスを上げる。
「「上がったアアア!!!!」」
「西谷先輩ナイスレシーブ!!」
最後ボールを託された田中先輩が決めた。

ただボールを上げただけ。点をとったわけじゃない。
それでも!!あのレシーブは100点くらいの価値がある!
「(チームの士気を上げるレシーブ)」
西谷先輩は本当に凄い人だ・・・リベロは守備の要でチームの要!
「うちのリベロは凄いな・・・」
明光さんが驚きの声をもらした。
「いまのレシーブ!100点くらいの価値があるレシーブですね!!!」
「それじゃ試合終わっちゃうな?」
嶋田さんが笑った。
「あっ・・・でもでも!それくらい価値のある、最高のレシーブってことです!」
「西谷君は一ノ瀬ちゃんのバレーの師匠だからね。さすがだ」
明光さんの言葉に笑顔でうなずいた。
「夕が師匠か。じゃあ弟子の前でカッコいいプレー見せなきゃね!」

「夕!!」
「西谷先輩!!」
「「頑張れー!!!」」
静まり返っていた烏野側の応援席から少しずつ声が上がり始める。

でも牛島さんは止まらない。
気が付けば16-25で第1セットが終わった。
「牛島さん・・・このセット一人で11点とってますね」
記録をつけていたノートをチェックしてみる。
「切り替えじゃ!切り替えー!」
「いったれーーー!」
私たちが弱気になっていてはしょうがない。
向こうの勢いに負けないよう、とにかく1%でも多く声を出す。
みんな頑張れ!!
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