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約束の景色

第49章 ポジション


「なんかさ、二人とも制服でこういう場所に居るって新鮮だよね!周りから見たらデートしてる風に見えちゃったりして!?」
「(こんな大切なものを私に託してくれたんだ・・・)」
「・・・聞いてる?」
手元のDVDから及川に視線をうつした。
「絶対大切に使います!!!」
「あ、うん。ヨロシクオネガイシマス・・」
一ノ瀬の勢いに及川が圧倒される。
「(私にも何か返せるものはないかな?)」
「ん?」
「部活はもう・・・引退されたんですか?」
「うん、この間が最後。でも体なまるから岩ちゃんも俺もまだ体育館行ってる。
習慣って怖いよね~やらないと体調悪くなりそうな気してくるし」
「大王様も岩泉さんも、バレーやってる姿また見れるの嬉しいです!」
目の前で嬉しそうに笑う一ノ瀬を見て、及川もつられて笑った。
「はちちゃんは本当にバレーが好きだね。
・・・そろそろ学校戻らないと。烏野のやつらが心配してるよ」
「はい!」

両手に買ったばかりの備品がパンパンに詰まった袋を持った。
「持てる?学校まで運ぶの手伝うよ」
「大丈夫です!私も一人でも色々出来るようにならないと」
大王様たちも歩みを止めずに進んでる。負けてられない。
「初めて会った時からずっと、はちちゃんは前に進み続けてるね。
ほんと・・頼もしいな」

学校に戻ると急いで体育館へ、そのまま烏養コーチの元へ走った。
「おっ!!?な、なんだそんなに慌てて。どうした?」
「これ!使って下さい!」
渡したDVDを見て驚く。
「これ・・・どこから手に入れてきたんだ?」
「青葉城西の及川さんに託されました」
「そっか、及川が。ありがたく使わせてもらおう」


”どのポジションやってみたい?”
休憩中に飲み物を配っていると、日向くんからの急な質問が飛んできた。
「一ノ瀬はもしバレーするならどのポジションやってみたい??」
「そうだなぁ・・・」
コートに視線を移しみんなが立っている姿を想像してみる。
トスを上げることも、スパイクを打つことも、ブロックも、攻めのサーブ打つことも多分・・・できないと思う
だからそれはみんなに任せたほうがいい!
だったら・・・?
頑張ればレシーブは上げられるかもしれない。
西谷先輩までは出来ないけど、前で戦うみんなの土台を支えることなら・・・私にも出来るかもしれない。
「私は西谷先輩のリベロかな?」
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