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約束の景色

第49章 ポジション


部活前に備品の買い出しに出かける。
決勝戦に向けてさらに練習時間も増えていくから、不足のないよう今のうちに揃えておかないと。
潔子先輩は学校の用事があるので今日は一人で買い物だ。
「一人じゃ大変でしょ?」って日向くんがついてきてくれようとしたけど断った。
私も色々出来るようにならないと!

メモ見ながら買い物しているとスマホが鳴る。
「(あ!研磨くんだ!)」
”翔陽から聞いた。決勝戦頑張ってね”
返信をしていると電話がかかってきた。
「潔子先輩かな?」
ディスプレイに表示された名前は・・・大王様!?
「もしもし?」
「渡したいものがあるんだけど、いま時間ある?」

急いで用事を済ませて待ち合わせの場所へ
多分大王様のほうが先に到着してるはずだ。
約束した場所に近づくと女の子に囲まれている大王様の姿が見えた。
「一緒に写真撮ってもらえますか?」
「これ!もしよかったら・・・」
大王様はどこへ行ってもすぐに女の子に囲まれている気がする。
「(人気者だ)」
落ち着くまで少し離れた場所で見守ることにした。


「いま何してるんですか?ここ寒いし、一緒にカフェ行きません?」
「ごめんね~待ち合わせしてるんだ」
まだ来ないのかな?と及川がキョロキョロ周りを見渡す。
「えっ!!?あ、ごめん。もう行くね」
離れた場所にいる一ノ瀬を見つけ、急いで向かった。


「来てたなら声かけてよ!」
「えっ?」
目の前に立っている大王様は怒っていた。なんで?
「いつから居たの?ほっぺた赤くなっちゃってる!寒かったでしょ」
温かいもの飲み行こう、と背中を押して歩き出す。
店内に入ってホッとした。最近一気に寒くなってきた。
「急に呼び出してごめんね。大丈夫だった?」
「はい!部活までまだ時間あります」
そういえば、こうやって大王様とゆっくりお話しするの久しぶりだ。
ココアをフーフー冷まして一口飲む
「温まってきた?」
「はい」
カバンからごそごそと何かを取り出す
「これ、渡したかったんだ」
渡されたのは1枚のDVD
ラベルには”白鳥沢”と書かれていた
「白鳥沢・・?」
「うん。俺たちはもう使わないから」
大王様たちが次の試合に備えて準備してたもの
「”烏野に”じゃなくて、”はちちゃんに”託すんだ。・・・それをどう使うかは任せる」
自分たちが使うために用意していたDVDを、渡してくれた
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