第47章 代表決定戦! vs青葉城西③ 【猛攻】
「飛雄の天才っぽいところは技術とかより、多分バカなところだよね。普通なら躊躇うところを迷わず突き進む。それがいい方向でも悪い方向でも」
夢中になったら周りが見えず、誰も付いて来ていない事にも気づかない。でも・・・飛雄の先を行く馬鹿が現れてしまった。
それに、そんな馬鹿たちをどこまでも信じて支える存在まで現れちゃって。
孤独な王様だったあいつが一人じゃなくなった・・・。
「(成長する前に潰す!!)」
烏野が追いついてデュースに
ここで影山くんがツーアタックを決める。
「「「!!!」」」
「あと・・・1点!」
セッターが入れ替わりシンクロ攻撃!
旭先輩のスパイクは拾われた。でも・・・
「乱れた!」
「「「チャンスボール!!!」」」
ボールを追った大王様がコート外からトスを上げる。
「(!? あんな遠くから・・?体勢だって乱れてるのに・・)」
ネット反対側にタイミングの早い超ロングセットアップ。
ボールの先には来るのが分かっていたかのように、岩泉さんが跳んでる。ドンピシャのトス。
大地先輩がレシーブしたが乱れる。
「!」
ボールは田中先輩が繋いだ!
「ラァストオオオオオオ!!!」
旭先輩が打つが決めきれない。
ブロックされたボールをスガ先輩が拾い、影山くんに繋いだ。
助走距離を確保した日向くんが飛び込んでくる!
「寄越せェェェエ!」
「(ブロック3枚!?)」
ふと頭をよぎるのは試合前の二人の顔。
”絶対勝つ”って言いきってた。
「いけぇーー!日向くん!」
日向くんの攻撃が決まった!
「勝った!」
「やった!」
「「よぉっしゃーー!」」
冴子さんとギュッと抱き合う。
「「「ありがとうございました!」」」」
観客席に向かって挨拶するみんなに盛大な拍手を送る。
「すごかったぞー!」
「お疲れ様!」
「かっけぇーぞ!」
試合を終えたみんなの顔、ものすごく輝いて見える。
コートの反対側に視線を動かせば、大王様たちの後姿。
岩泉さんの肩が震えてるように見えた。
その背中を大王様が、他の選手がバシン!って叩いていく。
「(・・・・ありがとうございました!)」
青葉城西に向かって深く一礼した。