第35章 勉強のお礼
いつもとは違い、部活終了の合図と共に部室に駆け込み着替える日向と影山。
「なんだよお前ら。今日は居残り練習しないのかー?」
競うように着替える二人をからかう菅原。
「今日一ノ瀬とお祭り行くんです!だから自主練なしです!」
パァっと弾ける笑顔で答える日向。
「日向急げ。先行くぞ」
着替え終わった影山が先に動き出す。
そんな二人の前に西谷が仁王立ちした。
「なんだそれ。楽しそうだな!俺も行っていいか!」
「俺も行こうかな。祭りなんか久しぶりだ」
「いいじゃんいいじゃん!!今日祭りあるなんて知らなかった」
「射的とかまだあるのかな?懐かしいな」
「俺は型抜きならだれにも負けないぜ!」
「僕は興味な・・」
「月島もたまにはこういうの付き合いなさいよ?」
「いいなぁ~。ツッキー行こうよ。楽しそう!」
潔子先輩としゃべりながら日向くんたちを待っていると、ぞろぞろ仲良く歩いてきた。
どうやらみんなも行くらしい。
「先輩たちも行くんですね!なら潔子先輩も行きましょう!」
先輩の腕をつかむ。結局全員で向かうことになった。
「おぉー!にぎわってるな」
「俺、焼きそば買ってきます!」
「俺はイカ焼き。腹減ったー」
「じゃあ各自食べたいもの買ったらここに戻ってくること!」
「「「あス!」」」」
影山くんに腕を引っ張られる。
「なに食う?」
潔子先輩は西谷先輩と田中先輩に連れていかれた。
まずは二人の食べたいものを買いに行き、それを見てる途中で欲しいもの決まったら買ってもらうことにした。
だってこんなに色々あるんだもん・・・簡単に選べないよ。
「俺、お好み焼きにする」
「いいなそれ!おれも!」
お好み焼きかぁ。だんだんと香るソースのいい匂いで私もお腹すいてきた!
「私も!あっ!あと、たこ焼きもいい?」
「「分かった!」」
影山くんがお好み焼きをまとめて買いに行き、日向くんと私がたこ焼きの列に並ぶ。
「もっと沢山食べてもいいよ?」
「じゅうぶんだよ」
浴衣を着た人や子供たち、大勢の人たちが集まってる。
なんかいいなぁ、こういうの。
「勉強教えてくれて、それにいつもマネージャーとして支えてくれて本当にありがとうね」
「いえいえ。こちらこそ今日はここに連れてきてくれてありがとう」
「お祭りって楽しいね!」
「ねっ!」