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約束の景色

第3章 練習試合


今のうちにドリンク作ってきてくれる?と清水先輩に言われ、水飲み場へ向かう。
「よし、これで全部!」
ドリンクの作り方は覚えてきた!と満足気に籠を持ち体育館へ戻ろうすると

「女の子がこんなに重たいの持ったら大変でしょ?手伝うよ」
背の高い、顔の整った王子様みたいな男の人。
自己紹介されると青葉城西の主将、及川徹
影山くんの先輩で、日向くんから「大王様」と呼ばれている人。

「大王様だ・・・」思わず口から出てしまった。
「大王様?女の子からは”王子様”って呼ばれた方が嬉しいんだけどな?」
効果音つきそうなくらいの素敵な笑顔。
この人はモテる!一瞬でそう感じさせる立ち振る舞い
「そのジャージってことは・・・烏野のマネージャーさんかな?」
「は、はい!!今日は練習試合を承諾していただきありがとうございます!」
「ふふ、君面白いね」可愛い反応に思わず笑う

体育館行くんでしょ?俺も行くし持つよ、とサッと籠を奪われた。

「トビオちゃんは元気してる?相変わらず王様かな?」
「(王様?この間話してたやつかな?)影山くんは元気です。凄いセッターで、いまは日向くんっていう最高の相棒もいます。それに烏野の選手たちもみんな凄くて・・。そんなチームにいます!」

影山を、そして自分のチームをキラキラした瞳で語る目の前の女の子を見て驚く。あの”王様”がチームに馴染んでる?

「そっか・・それは楽しみだ。それと、俺も最高のセッターだからしっかり見ててね。君の名前は?」
体育館に足を踏み入れた瞬間、女の子達の「キャー!」という歓声が上がった。
そしてもう一つ、青葉城西側のベンチから

「クソ及川!相手校のマネージャーナンパしてんじゃねぇーよ!」

という怒声と共にボールが飛んできた。
「岩ちゃん!危ないよ!!!見てわかんない?重そうなもの女の子が持ってたから手伝ったんだよ?親切なことしただけだよ!!!」
大王様から籠を受け取り「ありがとうございました」と一礼して自分のベンチに戻る。
後ろから「まだ名前聞いてないのにー!」と聞こえてきた。

試合終盤、アップを終えた及川がピンチサーバーとしてコートに入る。
凄まじいジャンプサーブで点を重ねた及川だが、日向と影山の攻撃が決まり烏野が勝った。
3球サーブを打っただけだが、圧倒的な存在感だった。
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