• テキストサイズ

約束の景色

第3章 練習試合


帰り支度も終わり、バスに向かうと及川が立っていた。
「インハイ予選はもうすぐだ。ちゃんと生き残ってよ?
俺はこのクソ可愛い後輩を、公式戦で同じセッターとして正々堂々、叩き潰したいんだからさ!」と言い放つ
そして清水の横にいた一ノ瀬に向かって歩いてくる。

「マネージャーちゃんもまた会えるのを楽しみにしてるね」
ぽんぽんと頭をなでて行ってしまった。
その後清水が「変なの持ち帰ったら困るから」と静かに一ノ瀬の頭をなで続ける。

帰りのバスの中で、今日の試合を思い返す。
初めて見たバレーの試合。すごい迫力だったし、練習試合とはいえ緊張感もすごかった。

「みなちゃんどうしたの?初めての練習試合で疲れちゃったかな?」
「初めてバレーの試合見たんですが、サーブの音とかスピードとか・・・すごい迫力なんですね。もっとバレーのこと知りたいなって思いました。
清水先輩!頑張って勉強するのでこれから色々教えてください!」
一ノ瀬を優しく見つめる清水。
「そう言ってくれて嬉しい。1つずつ一緒にやっていこう」
「はい!」

そんな2人のやり取りを、後ろの席から澤村と菅原が見ていた

「最初会ったときはふわふわした雰囲気の大人しそうな子だと思ったけど、意外と行動力あるんだな」
「日向たちの練習もずっと見てくれてたし、モチベーション上げていい空気作ってくれてたよ。いい子だよな」

翌日から清水の後ろにぴったりついて色々やり始める。メモ取ったり、じっと話を聞いていたり。
飛んできたボールを避けきれずぶつかる等、見ていて心配になることも多かったが部活が賑やかになった。
そして積極的に先輩たちにも関わるようになってきた。

何日か経った頃
「少し距離縮まってきて思ったんだが、一ノ瀬ってなんか犬っぽいよな?ありがとうって言うと目キラキラさせて嬉しそうな顔するんだよ。俺だんだんしっぽが見えてきた気する・・・。
声かけるとちぎれそうなくらいしっぽ振ってんの」

「それ分かるー!なんかあの嬉しそうな顔見ると”良くできたな!よしよし~”って頭なでたくなるよな」

体育館を動き回る後輩の姿をみて和む澤村と菅原
/ 327ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp