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約束の景色

第3章 練習試合


「組めた!組めたよー!練習試合!相手は県のベスト4!!
青葉城西高校!!」
体育館に転びそうな勢いで駆け込んでくる男性。
田中先輩がバレー部顧問の武田一鉄先生だと教えてくれた。
「君たちが新しく入った1年生だね。どうぞよろしくね!」

この高校は影山くんの中学時代の先輩、及川徹さん
通称「大王様(日向くんがつけた。王様の先輩だから大王様らしい)」と元チームメイトがいる学校

影山くんから「お前が最強の囮になってかき回せ!お前が機能しなきゃ他の攻撃も総崩れになると思えよ」と言われ、数日前から日向くんは緊張でガチガチになっていた。

当日、集合場所にやってきた日向くんは凄い顔をしてる
「顔色悪いけど大丈夫・・・?」
「あ・・うん。ちょっと昨日寝れなかっただけだから。
大丈夫だよ一ノ瀬」
全然大丈夫そうじゃない顔
(先日入部が決まった時に「今日からチームメイトだし、さん付け辞めるね!」と言われた)

移動中の車内で田中先輩のズボンに吐いてしまったし、青葉城西に着いてからはトイレに行ったきり帰ってこない。
試合が始まってからも緊張は取れず澤村先輩にいったボールを取る、田中先輩にぶつかるなど散々だ。
「あ・・・・」
影山くんの後頭部にサーブを叩き込んだ。

「お前さ、一体何にビビってるわけ?俺の後頭部にサーブをブチ込む以上に恐いことってなに?」
スパァン、スパァンと影山くんが自分の後頭部を叩く音が体育館に響く。
真っ青な顔をした日向くんに、田中先輩が声をかける。

「良いかァ!バレーボールっつうのはなあ!ネットの”こっちっ側”にいる全員!もれなく”味方”なんだよ!
下手糞上等!迷惑かけろ!足を引っ張れ!
それを補ってやるための!!”チーム”であり、”センパイ”だ!!!」

「(なんて素敵な言葉なんだろ・・そういう考えいいな!田中先輩カッコイイです!!)」
田中先輩の名言をノートにメモした。

そこから一気に日向くんの表情が変わる。
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