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約束の景色

第33章 2回目合宿 最後の夜


「黒尾さんと木兎さんがずっとツッキーを探し回ってるんだ。
気に入られちゃったみたい」
「最近、練習終わりも毎日黒尾さんたちと自主練してるもんね!」
「そうなんだよ!ツッキーが!」
「二人とも、月島くんが体育館にやって来るの毎回楽しそうに待ってるんだよ」
ニヤニヤしながら体育館の入口を見る黒尾さんたちの姿を思い出してつい笑ってしまう。
「そうなんだ~」って山口くんも嬉しそうに笑った。
あの日山口くんが月島くんに真っすぐぶつからなかったら、今の月島くんはきっといない。


「山口くんの気持ちが届いたんだね」
「いや・・・俺じゃないよ」
「山口くんだよ」
そう言って優しく笑う一ノ瀬を見て山口は泣きそうになった。
「俺にとってツッキーは小さい頃から憧れのヒーローなんだ・・・」
公園で出会ったあの日から、ツッキーは俺にとってのヒーローだ。


「きっと月島くんにとっても山口くんの存在は大きいと思う」
「え・・・・ツッキーにとって俺が?」
「うん!」
月島くんの山口くんに対する信頼はものすごく大きい!
まだ二人といるようになって数か月だけど一緒にいるとなんとなく分かる。
この二人も最高のコンビなんだ。
「(不思議だよな。一ノ瀬ちゃんが言うとそうなんだ、って素直に受け入れられる。ツッキーが俺の事そう思ってくれてたら嬉しいな)」


「ツッキー!やっと見つけた」
ヘイヘイヘーイと月島の行く手を阻む木兎。
「観念しろ。こいつに捕まると最後だ」
いじわるそうな笑顔で月島の肩を叩く黒尾。
「月島くん困ってそう。行ってあげよう?」
一ノ瀬が山口の腕をひく


「あ、あのさ、一ノ瀬ちゃん!
色々聞いてくれて・・・助けてくれてありがとう!」
にっこり笑ってまた歩き出す一ノ瀬のうしろ姿を伝えきれないほどの感謝で見つめた。
「(いつも本当にありがとう)」
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