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約束の景色

第33章 2回目合宿 最後の夜


烏野高校 月島・山口ver

日向くんたちはどの打ち上げ花火に誰が火をつけるかでワイワイ盛り上がっている。
その輪の中心に普段はあまりいることのない研磨くんがいた。
「(ジャージは後で渡せばいいか)」
笑ってその光景を眺めていると・・・
「一人でニヤついてると気持ち悪いよ?」
隠れるように座っていた月島くんに見られていた。
花火しないの?と聞くと、黒尾さんと木兎さんに絡まれるから嫌だと言った。
質問しに行ったあの日から月島くんは先輩たちにとても可愛がられている。

花火のほうに行こうとすると
「あのさ!・・・この間はありがとう」
「えっ?」
何か感謝されるようなことをしただろうか?
「黒尾さんたちのとこに連れていってくれたやつ!」
少し恥ずかしそうに視線を外した。
私も月島くんの近くに座る。
「僕は今でも”たかが部活”って思ってる。
でも・・・あの人たちの話聞いてて、自分もバレーが面白いってなる瞬間がこの先にあるなら、それを見てみたいと思った」
静かにそう言った。月島くんはこの合宿で変わった。
「それがいつになるかは分からないけど。烏野でバレーしてるうちに見れたらいいなって」
「うん!」


「( その瞬間 がきた時に・・・君がそばにいてくれたら
”やっと僕にもきたよ”って教えられるのかな?
自分のこと報告したいと思うなんて・・・僕も案外子供だな)」


「(あっ・・・)」
月島くんが笑った。
こんな優しい表情初めて見た。
「(月島くんってこんな表情で笑うんだ!)」
やっぱり月島くん変わった!
「・・・なにその顔?変な顔してこっち見てるけど・・・」
すぐにいつもの顔に戻る。

「ツッキー!!」
遠くから山口くんが走ってきた。
「黒尾さんたちが探してるよ!」
「!? じゃあ僕逃げるから!」
急いで立ち上がり校舎の方に消えていく。
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