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約束の景色

第32章 2回目合宿 月の出


速攻の成功に日向と影山が喜びの声を上げる。
二人が急いで隣のコートに視線を動かした。
この瞬間をずっと見せたかった相手がいるから。
しかし一ノ瀬は円陣に加わっていてこちらに背中を向けている。
「見せれなかった・・・。でも1回成功したならまた出来る!
影山、もう一回ッ!!!」
「またやればいい。もう一回やるぞ!」


その日の練習後、月島くんがこちらの体育館にやってくる。
「よぉ、いらっしゃい」
「ツッキー待ってたぞ!早くやろう!」
月島くんの姿が見えると黒尾さんも木兎さんも嬉しそうだ。
「月島くんお疲れ様!」
「そっちもお疲れ様。もう終わったんだしそのジャージ脱いだら?
長袖見てるの暑苦しい」
隣に座り準備を始めた。
「えっ?暑苦しい?そっか・・・ごめん」
研磨くんのジャージを急いで脱ぐ。
「王様が向こうで待ってたよ。早く行ったら?怒り出すかもよ?」
「うん!今から行ってくる」
入口のほうに行ったが、急いで月島くんの元に戻る。
「どうしたの?」
「黒尾さんと木兎さん、月島くんのこと嬉しそうに待ってたよ!」
「・・・」
月島くんが反応に困った顔をした。
「早く行きなよ!」
「はーい!」
こっちの体育館、いい雰囲気で練習出来そうな気がする。
月島くん頑張ってね!


一ノ瀬がいなくなると立ち上がり黒尾の横へ。
「音駒さんも早くマネージャー入れたほうがいいんじゃないんですか?」
声を低くして続ける。
「それと、ジャージ強制で着させるとか子供っぽいと思います。
あれで反応するの日向くらいですよ?」


「(おぉー、こわいこわい。バレーでもそれくらい闘志見せたらまた変わるのに。言わないけど)」
ニヤニヤ笑いながら月島に近づく。
「マネージャー候補が一人いて頑張って勧誘してるんだけど、なかなか良い返事貰えなくてさ」
照れてるのかね?なんて軽口叩けば「それって誰の事言ってます?」と睨みつけられる。あ?誰か分かっちゃった?

「今日は仲間連れか?」
「?」
入口から日向がひょっこりと顔を出した。
「影山は一人で練習するって。だから・・・」
「「ブロック練習混ぜてください!」」
「え?」
「あれ?」
夜久と練習していたはずのリエーフもこちらの体育館にやってきた。
「じゃあ人数丁度いいから3対3やろうぜ」
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