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約束の景色

第31章 合宿2回目 変化②


「(自分のぐちゃぐちゃな気持ちを話したって・・・
目の前にいる君にぶつけたってしょうがないことは分かってる。
・・・頑張ってる君に言うべきじゃないことも分かってる。
でも誰かに聞いてほしくて、一ノ瀬なら分かってくれる気がして・・・
ずっと心にしまっていたものが、堰を切ったようにどんどん溢れ出てきた。
身勝手なことしてるのは僕なのに、目の前にいる一ノ瀬はすごく辛そうな顔している。
山口の言う通りだ。
ぐだぐだと考えて・・・今の僕本当にカッコ悪いな・・・。
あいつのほうがずっとカッコいい)」


「(月島くんは”たかが部活”って言うけど・・・本当にそう思ってる?
そういう表情してないよ・・・)」
「納得はできない・・・」
目の前の月島くんはギュッと固く拳を握ったままうつむいた。
「(月島くんは頭いい。自分が言った事と気持ちが矛盾してるのはきっと分かってるんだ。
自分がどうしたらいいかも分かってる。
いま月島くんの固くなった頭を壊してくれるのは・・・)」

"一人で難しいなら助けてもらう!”

前に西谷先輩はそう教えてくれた。
「(うん!)」
明かりのついている第3体育館を見る。
「聞いてみよう!」
「え?」
月島くんの手を引いた。

入り口からひょっこり顔を出すと・・・
「あれ?みなちゃん!どうした?」
「おっ!なんだなんだ!」
よし!黒尾さんたちまだいる
そっと月島くんの背中を押す。ゆっくりと体育館の中に入っていった。
「おやおや?」
「おやおやおや?」

月島くんの顔を見て黒尾さん、木兎さんが嬉しそうな顔をする。
「・・・お二人に聞きたいことがあるんですが、いいですか」
「「はい、どーぞ」」
「ありがとうございます。・・・お二人の高校はそこそこの強豪ですよね。全国へ出場はできたとしても、優勝は難しいですよね」
月島くんの発言で二人はムッ!とした表情をするが、赤葦さんになだめられた。
「まぁまぁ、最後まで聞きましょうよ」
「純粋に疑問なんですが、バレーはたかが部活なのに・・・それなのにどうしてそんな必死にやるんですか?」
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