第24章 前進
ってか女子高生に手握らせてるのって大丈夫なのか!?
PTAに騒がれたりしないだろうか??何かあれば必ず俺に矛先が向く。
この光景を他人からみたら誤解されるのでは・・・?
考えたら背中に冷たい汗が流れ落ちる。
「暑いー!アイス買って帰ろうぜ」
そこにタイミングよく田中と縁下が入ってきた。
隣り合って座り手を取り合う俺達を見て一瞬固まる。
「「なに・・してるんですか・・・?」」
「あ!田中先輩、縁下先輩お疲れ様です。いま烏養コーチにテー・・・」
「「なにしてるんですか!!!」」
二人が急いで俺達の間に入る。
「これはどういうことですか!」
田中がそっと圧をかけてくる
「一ノ瀬!どうした!大丈夫か?」
縁下は一ノ瀬に乱れているところはないか?何もされてないか?チェックしている。
「えっ、あ、あの・・烏養コーチにテーピングの練習をしてもらってました」
「「テーピング?」」
指に巻かれたテーピングと俺の顔を何度も視線が行ったり来たりする。
すぐに状況を察し「「す、すみません!!」」と勢いよく謝る二人
どんだけ一ノ瀬の事心配してるんだよ。
ってかお前らに俺がどんな風に見えてたんだよ!
「「コーチが一ノ瀬に迫っているのかと・・・」」
うおぉぉい!そんなこと自分の店でするはずないだろう!
一ノ瀬に「練習は部活の時にやれ」と伝え店の外に追い出す。
その間に田中達は何度も謝っていた。
ムカつくからアイス押し付けて追い払う。
「今日は勉強になりました。次の部活の時には練習の成果見せますね!」
アイスご馳走様です、と満面の笑みで挨拶して田中達の方へ駆け寄る。
自分達の間に一ノ瀬を入れて、3人は仲良くアイス食べている。
あぁー・・・あの笑顔見せられたらそりゃ、な。
あいつらも心配になるか。
俺だってまた練習相手になってやってもいいかな?とも思ってしまう。ただ変な誤解されるのはもう嫌だが。
「(あぁ!)」
乱暴にドアを開け一ノ瀬の顔を見た。
「おい!一ノ瀬!この後時間あるか?」
「えっ?」
「日向がじじ・・・じいさんのとこで自主練してる。この差し入れ持って行かないか?」
「!! 持っていきます!!」