第23章 日頃の感謝
武田先生はいつも本当にバレー部のこと沢山支えてくれている。
そして部員一人ひとりの事もずっと見ててくれる。
「すみませんっ!ちょっと語りすぎちゃいましたよね。引いちゃいました??」
その後急に可愛くなる先生。お料理も得意で運転も上手な先生。
「(こんな人が部活の顧問になってくれて恵まれているな)」
そんな事を思っていたらホースから手を放してしまいびしょ濡れになった先生が目の前にいた。
おっちょこちょいな先生も追加だ。
「先生!!大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です!」
首にかけていたタオルで拭きつつ、照れたように笑う。
つられて私も笑ってしまった。
「あ!本当だ。やってるー!」
校舎のほうからジャージ姿の澤村先輩、菅原先輩、旭先輩がやってきた。
「今日は部活休みなのにジャージで駐車場のほう向かう先生と一ノ瀬
見かけたから”もしかして?”と思ったんだ。当たったな」
「水臭いな!俺たちにも声かけろよー!先生とこのバスにはいつもお世話になってるんだから」
「そうだぞー。みんなでやったほうが早く終わるだろう?」
3人に軽く怒られてしまう
「3年生の皆さんにまですみません」
「良いんですよ先生。俺たちにも手伝わせてください」
澤村先輩がホースを受け取り車体に水を撒いていく
「旭はデカいから上の方担当ね。俺はタイヤ洗おうかな~」
外は先輩たちにお任せして、先生と私は車内の掃除に移った。
3人で水をかけあったりして楽しそうに洗車している声が聞こえてくる。
「(本当に仲いいんだな)」
そう思って笑って眺めていたら、こっちをいたずらっ子のような笑顔で見てる二人がいた。
「一ノ瀬!手が動いてないぞ。サボるな」
そう言って開いた窓から軽く水をかけてくる澤村先輩。
「1人だけ中にいるからって安心するなよ?」
ニヤッ!と笑う菅原先輩。
「おいおい!二人ともなにやってるんだよ!一ノ瀬大丈夫か?
こっちおいで。拭いてやるよ」
自分のタオルで拭こうとしてくれる旭先輩。
「カッコつけんな旭ー!」
「そうだぞ!」
へなちょこのくせに~、と二人から思い切り水をかけられてびしょ濡れになっている。
「おい!着替えとかどうすんだよ!」
日が傾いてくる頃にはバスはピカピカになっていた