第23章 日頃の感謝
「皆さん、今日はありがとうございました。とても綺麗になりました」
「こちらこそいつもありがとうございます!それにこれからもよろしくお願いします」
「もちろんです。任せてください!」
手伝ってくれたご褒美です、と武田先生からアイスの差し入れがあった。
綺麗になったバスは夕日に照らされてキラキラ輝いている
「そういえばさ、ずっと気になってたんだけど・・・
なんで俺たちは“菅原先輩、澤村先輩”で、旭だけ“旭先輩”なの?」
「えっ?・・・最初“旭”って名前が苗字だと思ってて。なのでそのまま呼んでいたら今に至りました」
みんなが”旭さん”と言っていたからてっきりそれが苗字だと思って呼んでいた。
しかし本当は”東峰 旭”
急いで変えたが”もう旭先輩に慣れちゃったしそのままでいいよ”と言われてしまったのだ。
「なんか”菅原先輩”って距離感じるだろ?」
うーん・・・と考える。
「それじゃ・・・“スガ先輩”?」
みんな”スガさん”って呼んでるし!先輩はやっぱりつけたい。
「いい!!!うん!それいい!一気に距離縮まった気がする」
スガ先輩が満足そうに笑うのでホッとする。
「じゃあ着替えて帰んべ!」
ごきげんなスガ先輩に続いて旭先輩と歩き出す。
少し後ろを澤村先輩が考え込むようにゆっくり歩いていた。
「澤村先輩・・・?どうかしましたか?」
急いで駆け寄り顔を覗き込む。
「うん?あぁ・・・えっと・・・」
恥ずかしそうに笑った。
「なんかスガが“スガ先輩”って呼ばれてるのいいなぁ、と思ってな」
「あっ・・・」
「あっ!?いや、すまん!!!今のは聞かなかったことにしてくれ!」
顔を赤くして歩き始める。
そんな先輩を抜き去りくるりと振り返る
「大地先輩!早く行きましょう。二人とも行っちゃいましたよ!」
「!!」
一瞬驚いて固まる。そのあと嬉しそうに笑った。
「おう!」
「二人とも早くー!」
「着替えて帰るべ!」
その日から清水先輩の事も「潔子先輩」に変わった。
夜、珍しい人からメッセージが届いた。
「影山くん?なんだろう・・・」
”答え、見つかったかもしれない”
本当!?何があったんだろう・・・今度会った時教えてもらおう!