第2章 入学
悟「はあぁ〜癒される〜」
なんかもう…どうでもいいや。
授業中だけど。
『ねぇ、傑さんはいつ帰ってくるの?』
悟「…もう少し雰囲気のあること言えないの?イケメンに抱きしめられてんのに…ドキドキしちゃう♡とかさぁ…」
『いやいや…傑さんはいつ帰ってくるのって聞いてるんですけど?見られたら怒られちゃうのわかってますよね?』
悟「明日には帰るよ」
明日か…毎日顔を合わせるかメールのやり取りをする。保護者だし、お部屋に着いたら必ず連絡するようにルール化されている。それはななちゃんもみみちゃんも同じ。離れていても家族だから。
でも、傑さんがどこで何をしているのかは知らない。だから今回も、どこまで行っているのかはわからない。恋人はいるのかな?私たちに内緒で会っているかもしれない。いつも多忙な中、私たちのお世話をしてくれた。そんな癒される時間を過ごせる人がいるなら嬉しい。…少し寂しいけど。
逆に傑さんは私たちのことならなんでも知ってる。
『明日かぁ…早く明日にならないかなぁ〜傑さんに会いたいなぁ〜』
悟「え?憂太じゃなくて?」
えっ!?なんで乙骨先輩?!
悟さんに気づかれるほど浮かれてたのかな?私…
『違います!傑さんです!』
つい強い口調で反論してしまった。
ムキになればバレてしまうかもしれないのに、つい顔を赤くして抗議してしまった。
傑「私がなんだって?」
こめかみに青筋を浮かせて笑顔で顔を覗き込まれた。
あぁ…終わった。
これ、めっちゃ怒られるやつ。
しかも悟さん、絶対気がついてたのにやめなかったやつじゃん!
『傑さんに会いたいって話でした…』
傑「その割に随分と楽しそうだったじゃないか。不純異性交流は。
私は悟に気をつけろと散々言ってあるよね?それなのに楓は、後ろから抱きしめられていても何とも思わないのかい?大体…」
これ、長くなるやつ。頭を下げながら、悟さんの方をチラリと見るとニヤニヤしながら“怒られちゃったね!”と口パクしながら伝えてくる。このやりとりも恒例のやつ。そしてこれも見つかって怒られるんだ。
傑「こら楓!悟も!今話している途中だろ?真剣に聞くんだ!」
ほらね?いつもと同じ。
悟「ごめんって〜♡楓ちゃんは憂太よりも傑に会いたかったって言ってたよ?もっと優しくしてやれよ?」