第2章 入学
恵「ほっといてくださいよ。」
ほら、へそ曲げちゃったじゃん。この後めんどくさいんだよ〜辛いんだろうけど、自虐的になるっていうか、負のオーラが漂うというか…
悟「で、楓はさっき棘に抱きしめられてドキドキしちゃったんだ?」
『えっ?!なんで?!』
今になってめんどくさい絡みがあると思ってなかったために、逃げるタイミングを失った。
悟「そんなの見ればわかるよ。何年君のこと見てきてると思ってるの。今までの男子は、君が高嶺の花だって近づいて来なかったかも知らないけど、ここにはある程度自信のあるやつしかいない。あんな風にされるのは傑以外初めてだよね?ってことで、僕にも抱きしめさせて!僕も我慢してたんだよ〜」
と言いながら抱きしめられそうになった時に、恵くんが間に入ってくれた。
恵「五条先生、それはセクハラですよ。流石にやばいです。」
悟「え?でも傑はいいの?」
恵「傑さんは保護者じゃないですか。それにあの人は常識の範囲内で行動してますよ、あなたと違って。」
すごい強く言うじゃん…
流石に傷つく…?怒る?
と思って見ると、急に笑い出した悟さん。
悟「恵も言うようになったよね!でも僕もそろそろ本気出さないとまずいって思い始めたからさ〜」
黒いアイマスクを取りながら綺麗な瞳を見せてくれる。いつ見ても宝石のようで美しい。これに見惚れない女子はいないんだろうなと思う。
『五条先生…綺麗…』
悟「何度でも言って?モチベ上がるから♪」
悟さんの手が肩に置かれ、ゆっくりと抱きしめられた。
暴れる恵くんも一緒に。
途中で諦めたのか、恵くんもおとなしく抱きしめられていると思ったら、なぜか真っ赤になってる。
恵「…すみません。離してください。」
悟「恵も健全な男子だね?女の子って柔らかくていい匂いがして気持ちいいよね♡でもそれは全女子じゃなくて楓だからだよ?」
確かに恵くんはゴツゴツしてて硬いし私とは違うけど…そんなに真っ赤にならなくてもいいのに。昔はよくしてたじゃん。
恵「とにかく!離してくださいっ!」
悟「えぇ?じゃあ僕だけで満喫しちゃうよ?こっちおいで、楓♡」
と言って、恵くんだけを解放して再び抱きしめられた。今度は座っている背中側からぎゅっとされる。耳元に息がかかってくすぐったい。