第2章 入学
強い教師、後輩思いな先輩たちと信頼出来る友だち。
そして素敵な乙骨先輩…
死と隣り合わせの生活ではあるけど、生きていることを実感しながら青春できそう。
教室の窓から、2年生が体術訓練をしているのが見えた。傑さんが教えてるなら強いはずだよね。この前の真希先輩の動きは、傑さんの動き+柔軟性が加わって素晴らしかった。わたしもあんな風になりたいな。
狗巻先輩はすごく足が速いんだな。過敏な動きで相手を翻弄できそう。
今日は乙骨先輩もいるんだ。
あの真希先輩と互角に戦えるなんて、やっぱりすごい。
どちらかといえばいじられキャラなのかな?パンダ先輩にもふもふされてる。
悟「楓?聞いてる?外ばっか見てないで僕を見てよ」
『だってつまんないんだもん』
悟「授業ってそーゆーもんでしょ?僕だって体術担当したかったのにさ、あのゴリラがいるからできないんだよね。あーゆーパワー頼りの戦い方は、女子には不向きだよね〜?教え方下手くそなんじゃなーい?」
『傑さんのこと悪く言わないで!』
思わず声を荒げてしまった。立ち上がってしまったが、静かに席に着く。
『…すみませんでした、五条先生。』
悟「楓は本当に傑が大好きだね」
そんなの、今に始まったことじゃない。悟さんも恵くんも知っていること。
恵「はぁ…早く授業進めてくださいよ。」
ごもっとも。ごめん、恵くん。
それからは授業に集中した。正直、座学はそこまで心配してない。努力でどうにかなるから。だけど、実技に関してはセンスもあると思っている。だから傑さんに認めてもらえれば、それなりに動けるんじゃないかって、他の人にも認めてもらえるんじゃないかって思っている。
自分では割と動けている方だと思っていたけど、2年生の先輩の動きを見たら、まだまだだなと感じた。やっぱり真希先輩かっこいいなぁ…憧れの人がまた1人増えた。
というか授業内容…悟さん“で、あるからにして〜”しか言ってないんじゃ…?恵くんに目配せすると、ため息をついて呆れた表情をしていた。
恵くんも大変だな…悟さんがこんなんだから、つみきちゃんも恵くんもしっかり者なんだろうな。