第2章 入学
少し違うが境遇が似ていたこともあり、意気投合した。
話しているうちに、結構いい時間になっていることに気がついた。楽しい時は時間が経つのが早いな。そろそろお開きにしようと、片付けを始めた時、音を立ててドアが開いた。
「遅くなりました!!!」
と駆け込んできた人がいる。
驚いてみんなでそちらを見た。
パ「遅い!もう片付けしようとしてたぞ」
「ごめんって…」
真「せっかく初めての後輩との絡みを楽しみにしてたのにな笑」
その人が顔を上げた瞬間、私の中で大きく風が吹いた気がした。
こんな感情は初めて。
すごく…素敵な人…
激しい鼓動が鳴り止まない。
「初めまして、乙骨憂太です!よろしくね!」
あ…乙骨先輩。この人が特級の…
こんなに優しそうな人が強いなんて想像出来ない。
『あっあの!私、楓です。よろしくお願いします。』
恵「伏黒恵です」
憂「え?苗字は?名前で呼ぶのは緊張しちゃうな。伏黒くんは五条先生の弟子なんでしょ?」
顔が真っ赤になっているのがわかるから、顔を上げられない。トイレにでも逃げようとしたところで
悟「憂太、僕の楓に手を出さないでね?」
でたよ。なんの話の流れでそうなったわけ?
また変なこと言って困らせてる。
しかも絶対誤解されたくない人に!
顔が赤いまま、頭を上げて抗議した。
憂「えっ!?手を出すなんてそんな!!」
『ちっ違うんです!私、五条先生とはなんの関係もなくて!』
悟「ひでぇ…婚約者に向かって…」
『ちょっと黙っててください!』
いつもならここで傑さんが突っ込んでくれるのに、今は何も言ってこない。チラリと横目で確認すると、硝子さんと何か話していた。でも、なんか怒ってる?目が据わっているような…
真「もうほとんど残ってねぇし、あとは部屋でだな。」
棘「おかか、こんぶ」
あ、2つの具を言うときもあるんだ。
パ「なんだよ、棘は任務かぁ。集まる機会はまたあるから、任務頑張れよ〜」
過ごす時間が長ければ、わかるようになってくると信じよう。
悟「さぁ片付けて!任務振られたくなかったら解散だよ。」
片付けながら乙骨先輩に近づいてみる、
話かけたいけど、何を話せばいいの?!
憂「あの、君のことはなんて呼べばいいかな」
『…名前がいいです。みんなそう呼ぶので、楓って呼んでください』