第2章 入学
悟「恵じゃなくて、楓は僕の婚約者だよ♡お似合いでしょ?美男美女カップルなんだけどさ、お父様がなかなか許してくれないんだよぉ〜」
みんなの驚きの声が響く。
傑さんに至ってはこめかみに血管が浮き出て、マジギレしそうだし…どうしよう…そしてみんなには知られたくなかったのに!!
『違うんです!好きとかじゃなくて!子どもの時に…』
傑「悟。いい加減にしないか。子どもの時の話を本気にしないでくれ。楓は私が認めた相手にしか嫁にやらないんだ。君のような適当な奴には嫁に出すわけがないだろう?」
冷静に話しているようで、めちゃめちゃキレてるよ…
生徒はみんなわかっているから黙ってるのに、悟さんが発破をかける。
悟「でも僕、もう遊んでないの知ってるでしょ?楓だけなのに〜♡」
傑「苦労するのが目に見えてるのに、無理だろ…この話は終わりだ。真希、恵、準備して。」
真希先輩と恵くんが試合をしているのをぼーっと見ていると、パンダ先輩がコソコソ話しかけにきた。
パ「で、実際どーゆーことだよ?悟のことが好きなのか?」
『違うんですってば…私、子どもの頃に傑さんに拾われて、悟さんと結婚したら、みんな一緒に暮らせるっていう理由で言ったんです。そしたら悟さん、未だにからかってくるんです。…まだ誰かを好きになるって感情、わからないですし…』
本当は傑さんが大好きだけど、傑さんとは結婚できないとわかっているから。いつか傑さんに恋人ができて、結婚することになっても、ちゃんとお祝いしてあげるんだ。
パ「悟はお見合いの話山ほどきてるからな、それにあの顔面だ。それなのにわざわざ言ってくるってことは楓一筋なのは間違いなさそうだぞ?それに…」
傑「パンダ、聞こえてるよ?楓に余計なことを吹き込むな。とにかく悟はダメだ。いいね?楓。これまで通り悟と2人きりになることがないように。」
そう言って勝負のついた試合の近くへ行く。また恵くんが負けてしまって、ほっぺに“弱者”と太く書かれていた。容赦ないな…
涙を流しながら笑って写真を撮る悟さん。
デリカシーないな、だからダメだって言われるんだよ。