第2章 入学
パ「よぉ楓。遠慮なく来いよ?ふわふわのもふもふが抱きしめてやるからな〜♡」
完全に舐められてる。
任務をこなしている2年生に勝てるとは思ってない。だけど、少しくらいはいいところを見せたい。伸び代があるって思って欲しい。傑さんに!
傑「1年だからと舐めてかからない方がいいよ?私たちが育てたんだ。」
悟「じゃ、準備はいい?よーいスタート!」
棒立ちのパンダ先輩に走って向かって行く。初めは体術で攻める。背中側に回って振り返ったところを姿勢を低くして下から顎を狙う。身体を逸らして逃げるパンダ先輩。
真「おぉやるじゃん!」
パ「これは生身じゃキツイな」
次に振り返った時にはパンダ先輩の表情が違うことに気がつき、動きも格段に速く強くなっている。
え?地面割れてる?!
傑「楓、術式を使わないとやられるよ?」
今度はこちらが避ける番。攻撃できるほどの余裕を与えてくれない。術式を使おうにも、指の形を作れない…
避けるだけじゃ勝てない。
何か突破口を…
一か八か…試してみたいこと。
これは訓練でしか試せないこと。実戦でするには危険すぎるから…どうかパンダ先輩が呪骸でありますように…
術式を使って高く飛び上がり、パンダ先輩の真上に移動する。落ちると同時にパンダ先輩の背後へ行き、ピタリとくっついた。
パ「お?なんだよ?もふもふしに来たのか?」
おあいにく様♡
一点に集中して呪力を放出する。
バンッ!と大きな音が響き、パンダ先輩に穴が開く。
少しの静寂。私の呼吸音だけが響く。
傑「…楓の勝ちだな」
悟「パンダ〜?大丈夫?」
パ「だめだろ?これは…俺じゃなかったら死んでたじゃん!」
やっぱ呪骸だった。
よかった…
真「負けず嫌いってレベルじゃねーだろ!」
棘「しゃけしゃけ!」
傑「だから手加減するなって言ったじゃないか。
楓、よくやったね。さすが私たちの楓だ。」
傑さんがいつものように褒めてくれる。
大きな手で頭を撫でて抱きしめてくれた。
『ありがとう、傑さん。』
悟「楓!やるじゃん♪僕のクラスの一位は楓ちゃんだねぇ〜♡まったく恵はなにやってんの?それでも楓のこと守れるの?やっぱ最強の僕が楓をお嫁にもらうしかないね♡」