第2章 入学
恵「特にありません。」
悟「もぅ〜恵の照れ屋さん♡」
いつものやり取りなんだけど、2年生の反応はどうなんだろうとチラリと確認すると、こちらもため息をついている。悟さん、いつもこんな感じなんだな…うちに来る時は違う一面もあるんだけど…
微妙な間が空いてしまい、どのタイミングで挨拶したらいいか迷っていると、傑さんが声をかけてくれた。
傑「じゃあ楓、自己紹介して?」
『はいっ!楓です。術式は…』
悟「ストップ!術式は内緒ね?」
そしてまた微妙な空気。すごい術式だと思われちゃうじゃん!全然すごくないし弱いのに!
『…恵くんとは幼馴染で、私は訳あって幼い頃に保護されたので、保護者は夏油先生です。苗字はわからないので、名前で呼んでください』
悟「で、婚約者は…」
傑「いない!」
『いません!』
思わず強い口調で答えてしまった。
もう!変な空気になるから黙ってて欲しい!
パ「恵の保護者は悟だからか!よろしくな楓!」
パンダが喋っている状況を、誰か説明して欲しいのだけど…
真「傑の言ってた保護した女の子ってお前か!いい目してんじゃん♪おまえ、負けず嫌いだろ?負けねぇからな!」
棘「しゃけしゃけ!」
もぅ…なんか…個性的ってレベルではない気がする。
悟「さっ!じゃあ手合わせといこうか!グラウンドに集合ね!」
はぁ?!いきなり?
今日入学したばっかりなのに?
誰も不思議に思う人はいないのか、普通に移動し始めた。
というかジャージとかないし!
というより2年生の自己紹介されてないんだけど!
とりあえず、女性の先輩に声をかける。
『すみません。ジャージとか持ってきてないんですけど…あと、名前を聞いてもいいですか?』
真「あぁ、禅院真希。名前で呼べよ?任務行く時も制服だから制服でいいんじゃね?」
なるほど。確かにそれも含めて動きやすい制服にカスタマイズしたんだった。
『真希先輩、2年生は4人だって聞いてた気がするんですが、今日は任務ですか?』
真「おぅ!今日は憂太が単独任務に出てる。アイツは特級だから、いないことの方が多いかもな!悟にこき使われてるから。」
やっぱ悟さんは悟さんなんだな。
それに2年生で特級だなんて…すごいな。
もっと頑張らないと!