第2章 番外編 オレが君を好きになった瞬間
「カカシ〜!」
「あ!父さんの声が聞こえた!」
初めは分からなかったが、今は近くまで声が聞こえた。
「ほらね。さぁ、帰りなカカシ」
ヨルは少し口角をあげる
笑みと言うにはあまりも言葉足らずな表現だが、初めて見せるヨルのその表情にオレは見入ってしまった。
「ヨル!あのさ!」
「居た!カカシ!」
「父さん!」
父さんが背後から現れ、後ろを振り返る
父さんが安堵と喜びの表情でオレを抱きしめた。
「カカシごめんよぉ!父さんが悪かった!悪かったよ!」
「痛いよッ父さん......違うよ...オレが、」
『そして、思ってるから...大切にしているから
今、こうしてカカシを探しているんだよ』
ヨルの言葉が脳内を過ぎる
「......こっちこそ...ごめんなさい...」
父さんの今まで見た事ない慌てぶりに驚いた
ヨルの言葉で背中が押された
だからこそ自然と謝る事が出来た
「いいんだ...カカシ。さぁ帰ろう...」
「あ!待って父さん!ヨルがね!」
「ヨル?」
「ほら!後ろに......あれ?」
ヨルを父さんに紹介しようと後ろを振り返るも、其処に誰も居なかった。
唯、満月の光が地を照らしている