第2章 例の部屋に閉じ込められてしまった件 / ルージュ ★
ベッドの上でグルンと体制を変えて彼女を組み敷く。
ギシ…と軋む音が、更に緊張を高めた。
「…オレ、優しく出来ないかもしれないけど…、それでもキミは平気?」
彼女の顔にかかっていた髪を優しく払いながら尋ねると
彼女は真剣な眼差しでしっかりと頷いた後、ふわっと微笑んだ。
きっと、めちゃくちゃ緊張してたオレを解そうとしてくれたんだよね。
そんな心遣いもすごく嬉しくて、やっぱり好きだなぁって思っちゃう。
「…ありがと」
短くそれだけ言ってそっと口付けようとした瞬間。
ぽんぽんぽんっと何かが次々に傍に落ちて来た。
手錠。
首輪。
拘束具。
大人の玩具。
鞭とか蝋燭とか…ってあぁぁぁぁ
「ち…違うから!! 違うからね!? 優しく出来ないってそーゆー意味じゃなくてね!? オレそんな趣味無いからね!!???」
そーゆー配慮いらないから!!!
誤解させちゃうでしょーが!!!
するとぽしゅん…ぽしゅん…と1つずつ悲し気な音を立てて消えていく。
え、なんでそんな悲しそうな音出すの?
今まで音なく一瞬で消えてたくない??
オレが罪悪感を抱かなきゃいけないのおかしくない!!?
「…って、あーーー待ってこれはいる!!」
咄嗟にとある小瓶を手に取ると、小瓶に描かれていた謎生物の顔がニヤリ、と笑った。
くっっっそ、なんか腹立つ!!
「えっと…、ルージュさん、それは…?」
今まできょとん、としていたりとちゃんが、これまた小首を傾げて尋ねてきた。
うっ…可愛い。じゃなくて。
オレはその小瓶の中身を一気に口に含み、そのままりとちゃんにキスをしてソレを流し込んだ。
ゴクン、と喉が鳴り飲み干した事を確認してからゆっくり唇を離す。
つぅ…と少し口の端から零れたその液体を手で拭いながら、ひとつ深呼吸をした。
「…これ、即効性の媚薬。オレ、実はその…、初めて?だからさ、正直自信なくて…でもキミには、気持ちよくなって欲しいし…///」
あーーーーヤバい、恥ず…
っていうか媚薬に頼るとかオレかっこ悪…あ、なんか泣きたくなってきた…