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【シリアス百合】卒業は死神【完結済み】

第6章 シーン3(2


 美和の両親は不思議と私を疑わなかった。小学生の時からの唯一の友達だったからだ。美和には私しか友達がいない。だから、通夜、葬儀、火葬に友達として参列したのは私一人だった。遺書の通り、私は美和の骨を分けてもらった。美和の両親から「あの子はもう結婚も出来ないから左手の薬指を貰ってくれる?」と言われ、私はその通りに左手の薬指、指輪をはめるところの骨を小さなガラス瓶に入れ、コルクの蓋で封をした。美和の骨が入ったガラス瓶は、物が物なだけにどこにも仕舞う所が無く、私の飾り棚の上に置かれてある。

 そして美和が自殺してから12日後、美和から手紙が届いた。卒業式の翌日だった。私はもう学生ではない。3月、まだ桜も咲かない寒い季節。私は玄関先に座り、美和からの手紙の封筒を見続けていた。
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