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思い付き短編小説

第1章 ドッキリ大作戦!


【ベックマンの場合】


「悪ぃな、花子。付き合わせて。」

「暇だったから全然いいですよ〜。」

資料室の本を片付けているベックマンさんに笑顔で答える。密室、2人っきり。私としてはこの上ない好条件だ。

「上の方は俺がやるからお前は手の届く所だけ頼む。」

「は〜い。」

とは言ってもこの状況だとやっぱりハグ?色々作戦を練る私の手元には上の方に収納する本。

「ベックマ…。」

「…。」

これは彼に頼もうと振り返れば真剣な顔で本を読んでいるベックマンさんの姿。邪魔しちゃ悪いしギリギリ届きそうだったから私は声をかける事はしなかった。

(くっ…!オラに力をっ…!)

眼力でどうにかなる訳じゃないけど後少しで入りそうな本を睨み付け、私はプルプルと震える背伸びをした足に力を込めた。

「はいっ…っのわあっ?!」

「危ねぇっ!?」

やっとの思いで収納できた達成感からか力が抜けた私はバランスを崩してしまった。慌てるベックマンさんの声と共にドシンッと派手な音を立て床に倒れ込む。

「いっ〜…たくない?でもビックリしたぁ…。」

「…驚いたのはこっちだ。」

「え?」

予想していた痛みはこず安堵すると下から声が聞えてきた。そちらに顔を向けるとベックマンさんが呆れた顔で私を見上げている。

(これは…床ドン…?)

「たくっ…上の方は俺がやると言っただろう…。」

私がベックマンさんを押し倒している状況。多分、倒れる私に巻き込まれたんだろうけど思わぬ形でドッキリ成功?

「ふふっ、ビックリしました?」

「あぁ…お前が怪我するかと思ったら肝が冷えた。」

愛おしそうに私の頬を撫でる彼に思わず顔を綻ばせていると、大きな手が私のお尻をいやらしく撫でる。

「…エッチ。」

「悪戯を考えてた悪い子にはお仕置きだろ?」

どうやら彼には私の考えはお見通しだった様だ。


検証結果…プレイボーイにドッキリは利かない様です。

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