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思い付き短編小説

第2章 1日遅れのBirthday


【オマケ】
ロー side


ふと目を覚ますと夜は明けてねぇのか辺りはまだ暗い。隣にいる花子に目を向ければ穏やかな寝息を立て眠っている。

ーロー君が生まれてきてくれて…ロー君に出会えて…私は幸せだよ…。ー

(…それは俺の方だ。)

珀鉛病に犯され俺には幸せになる権利なんて無いと思った。だが、あの人に出会って…生きる希望を…愛を俺は知った。

ーロー…。ー

ふとあの人の声が聞こえ顔を上げると目の前が白く光り、そこには笑顔のコラさん、そして父様と母様、ラミがいた。

「コラ…さん…?父様…?母様…?ラミ…?」

ーお兄様っ!お誕生日おめでとう!ー

ー身体には気をつけるんだぞ。ー

ーその子と幸せにね。ー

「っ!」

もう2度と会えないと思っていた家族の優しい微笑みにぐっと胸が熱くなる。

ーロー!誕生日おめでとう!幸せになれよ!ー

餓鬼みてぇに無邪気な笑顔を浮かべているコラさんは凄ぇ嬉しそうで、言いたい事は沢山あるが言葉が見つからない。

「…っあぁ、ありがとよ。」

そんな事しか口に出来ない俺に満足したのかコラさん達はそのまま消えていった。

「ん…ろぉくん…?」

呆然としている俺に目を覚ました花子が微睡みながら声をかける。

「どうしたの…?泣いてるの…?」

「っ…!」

そっと俺の目元を拭う花子の指は濡れていて自分が涙を流している事に気付きハッとする。

「怖い夢でもみた…?」

「いや…。」

心配そうに眉を下げる花子を俺は涙を拭いこの幸せを噛み締める様に強く抱き締めた。

「…今までで…1番最高の誕生日だ。」

「ふふっ、よかったぁ…。」

コラさん…父様…母様…ラミ…俺は、今凄ぇ幸せだよ。

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