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思い付き短編小説

第1章 ドッキリ大作戦!


【キッドの場合】


さぁさぁ!今回私がドッキリを仕掛けるのはあのキッド海賊団船長!ユー…"キャプテン"キッドー!単純…いやいや…素直な彼だからドッキリにはすぐに引っ掛かってくれるはず!

「ねぇ、キッド!万歳して!」

「あ?何でだよ。」

「いいから!ほら、バンザ~イ!」

「…面倒臭ぇ。」

正攻法では聞いてくれないと思った私は勢いに任せてお願いしてみたけど、キッドは鬱陶しそうにやだとか面倒臭いって言って中々してくれない。

「だあーっ!ウゼェなっ!」

「まぁっ!最近の若い子はすぐそうやってウゼェだの面倒臭いだの言って!碌な大人にならないわよ!」

「花子、一応キッドも立派な大人だ。」

ぎゃいぎゃい私とキッドが騒いでいるとキラーさんが呆れた様子で近付いてきた。確かに20は超えてるかもしれないけど私からしたらお子ちゃまよ!

「うぅ〜…キッドがイジメる〜…!」

「…餓鬼かよ。」

「ううぅ〜…!」

「…キッド、取り敢えず言う通りにしてやれ。」

このままじゃ面倒臭い事になると失礼な言葉が聞こえたけど、キラーさんの助け舟もあってキッドは渋々了承してくれた。

「…おら、これでいいんだろ。」

「わ〜い!それじゃあ…失礼して!」

顔の辺りまで手を上げてくれたキッドに私はパッと顔を輝かせそのまま彼の胸に飛び込んだ。

「キッド、ぎゅーっ!」

「…何してんだ、てめぇは。」

「ハグ!」

逞しいキッドの身体全部には回らないけど伸ばせる範囲で腕を回すと頭上からは呆れた様な溜め息が聞こえた。

「…てめぇがやりたかったのはこんな事か?」

「うん!」

まぁドッキリなんだけどね!驚く様子も無いしネタばらししようとした私の頭に大きな手が優しく乗る。

「こんな回りくでぇ事しなくても、やりたきゃいつでもやりゃあいいだろ。」

「うぐっ…!」

腰が砕けそうな甘い声で耳元で囁かれ顔を上げたら、そこには柔らかく笑みを浮かべるキッドの顔があった。


検証結果…ドッキリ仕掛けたら普段見れない甘い彼が見れました。

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