第1章 ドッキリ大作戦!
【ゾロの場合】
「えぇ〜と…多分この辺りに…いたいた♪」
目的の人物を探していると彼は呑気に芝生で大の字になり気持ち良さそうにお昼寝中。
「ン゙ん…?何だ、花子か。」
「何だとは失礼な。」
このまま床ドンと言う新たなジャンルを組み込もうと思ったけど行動するよりも早くゾロ君が目を覚ました。
「あのね、ゾロ君にお願いしたい事があるの!」
「んだよ、面倒臭ぇな…。」
面倒臭そうにしながらも起き上がってくれる彼は何だかんだ優しい。私はワクワクと早る気持ちを抑え彼の前に座る。
「私の言う通りにしてね!」
「…何企んでやがる。」
「いいから!絶対動かしちゃ駄目だよ!」
企んでるなんて失礼な!怪訝そうな顔で両手を前に突き出すゾロ君に満足げな笑みを浮かべ、彼の腕が動かない事を確認した私はその逞しい胸に飛び込んだ!
「?!ばっ!てめっ離れろっ!?」
「ぎゅ〜っ!」
バタバタと焦ってはいるみたいだけど加減はしてくれているのか力任せに引き剥がそうとはしない。調子に乗った私は彼の膝に跨り両手足を使ってしがみ付いた。
「引っ付くなっ!てめぇ何がしてぇんだよ!?」
「ハグドッキリっ!」
「はぁっ?!」
満足したのでネタばらしをしたらやっぱり下らない事考えてと本気で引き剥がしにかかろうとしてきたから、私も手足に力を込めた。
「…ゾロ君や、これは何だい?」
「…不可抗力だ。」
わぉ…難しい言葉知ってるんだね…って違う違う。ピッタリとくっ付いた私とゾロ君のお腹の間には硬く大きな何が鎮座していた。
「…若いね。」
「俺はまだ21だ。それに好きな女に引っ付かれりゃこうなるだろ。」
「ちょっ?!」
好きな女と言う単語にキュンとしているとゾロ君は私を肩に担ぎ上げ何処かに向かっている。
「待って待って!何で上に登るの?!てか怖っ!?」
「てめぇから誘ったんだ、最後まで付き合ってもらうぞ。」
「何で?!」
楽しそうに縄梯子を登りトレーニングルームに向うゾロ君に連行される私が目を覚ましたのは明け方の頃だった。
検証結果…ドッキリは成功したけど、調子に乗るのは止めましょう。