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こちら、MOB飼育係3[dzl]

第9章 おんりーゴーレム


 急になんだろうと女の子を見つめる。女の子は俺の疑問に取り合わずに楽しそうに話した。
「だってね、エンダーパール持ってるの、おんりーちゃんだけだから」と女の子は言う。「一人だけのことをおんりーって言うんでしょ? 毒蜘蛛ちゃんが言ってたの」
「毒蜘蛛? 危ないんじゃない?」
 と俺が言うと、そんなことないよと女の子はクスクス笑った。
「大丈夫だよ? だって、パパのMOBだもん」
「あぁ……」
 なるほど。多分この女の子は、小さい頃からたくさんのMOBに囲まれて育ったんだろう。だから俺の言葉も分かったんだろうか? 分からないが、そんなにMOBがいるのなら、アイアンゴーレムの俺はもういらないのかもしれない。
「ねぇ、パパ、ママ、この子お家に連れて帰りたい!」
 女の子の思わぬ言葉に、俺は顔を上げた。
 女の子は後ろで見守っていた両親を振り向いてそう言っていた。両親はそうかそうかと笑うばかりで女の子の言葉を否定する気配すらない。
 俺は女の子に、どうして俺を選んだのかとこっそり訊ねてみた。女の子はにこりと笑ってこう答えた。
「だってね、足が早くてかわいいから!」
 だから俺は、この女の子のアイアンゴーレムとなった。
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