[R-18]セックスしないと出られない部屋【ヒロアカ】
第2章 爆豪勝己の場合
怒鳴られ完全に萎縮する私。可哀想。
そして私も看板に視線を向け、文字を読むと同じく驚愕したのだ。
「セックスしないと出られない部屋……?」
「口に出して言うんじゃねえ!!」
「ヒィっ、ごめんなさい!ごめんなさい!」
蹲り、爆破されないように頭を隠す。
どうして、なんでこんなことになったのか。
この部屋に入る前の記憶といえば、夜寮の部屋でベッドに潜って眠っただけだ。
そう、眠っただけなのだ。
「ああクソがっ!!」
爆豪君の行動は素早く、壁を破壊しようと爆破を始める。
それを横目に、もしかしたらこれは私の見ている夢なのかもしれないと思っていた。
「テメェもボーッとしてないでちったあ手伝えや!!」
「は、はい!」
叱られ、扉のない壁を叩いてみるものの、硬い壁はベチベチと音を鳴らすだけだった。
「あ、あの、誰かいませんか!」
その声も、爆豪くんの爆破の音にかき消される。
しかし、彼の爆発でも壊せないこの壁は一体どうなっているのだろうか。
かけられている時計は随分と古いもののようで、長針と短針式のもののようだった。
「ああ、クソが!!」
何十発目かの爆発の後、爆豪君が床に倒れる。
よく見てみると、制服姿の彼の袖は少し煤けていて、その手も少し赤くなっていた。
「せ、先生方も流石に雄英の生徒二人が居なくなったら気付くだろうし、探してくれてるよきっと……」
「つーか、テメェも個性くらいあんだろ!!使えや!!」
「こ、個性……」
そう詰められ、言葉に詰まる。
個性、ある。もちろん。
けれどそれはヒーロー科みたいに人の役に立てる個性じゃない。
「………ごめん、力になれそうにない」