[R-18]セックスしないと出られない部屋【ヒロアカ】
第4章 通形ミリオの場合
そう言って笑顔を浮かべる先輩に、ヒーロー科の人って凄いなと思う。
きっとこんなわけのわからない部屋に突然入れられて、自分だって不安なはずなのにと頭を振る。
「キミは、雄英の一年生の子かな?どんな個性か、聞いていい?」
「あ、はい。私の個性は、傷を舐めて治す個性です。治すっていっても大きい裂傷とか骨折なんかは難しくて……小さい切り傷なんかだと絆創膏がいらないみたいな、あまり役に立たない個性なんですけど……」
「役に立てないなんて、人の役に立つ立派な個性じゃないか!」
「けど、今のこの状況に対処できるような個性じゃなくて……」
「そうやって自分を卑下するのは、よくないよ!」
そう言われると、私は言葉を飲み込んだ。
「………すみません」
「けど、不安だよね」
部屋を改めて見回すものの、看板と時計、白熱灯だけの殺風景な室内にどうしたものかと思考を働かせる。
部屋の外の様子は、通形先輩に見てもらったもののよくわからない。
壁をべちべちと叩いてみるも、自分の手が痛くなるだけだった。