[R-18]セックスしないと出られない部屋【ヒロアカ】
第4章 通形ミリオの場合
目が覚めると、そこそこ広い白い部屋に閉じ込められていた。
壁にかけられた時計の音はコチコチと無機質に響き、同じく看板には無骨に文字が書かれている。
「セックスしないと、出られない部屋?」
ドクドクと、心臓が音を立てる。
辺りを改めて見回すと、私のそばで一人、よく見覚えのある先輩が倒れている事に気付いた。
「あ、あの、大丈夫ですか?」
声をかけた直後、その人の目がぱちりと開く。
「あれ?ココは?」
「す、すいません、私もちょっとよく分かってなくて……看板には、その」
言葉にするには憚られて言い淀むと、彼は私の視線の方向へと向いた。
「………なるほどわかったよ」
先輩が立ち上がり、部屋の外を覗いてみるよと壁に顔を突っ込んでいく。
話には聞いたことがあるし、有名な先輩だからきっと個性でなんとかしてくれるとホッとする。
けれども、先輩が顔をこちらに戻すと何とも言えない表情をしていた事に気づき、私は冷や汗が流れた。
「ど、どうなっていました?」
「うーん、どうなっていたっていうか、何もなかったというか……」
歯切れ悪くそう答える先輩に思わず不安な表情を向けると、でも大丈夫と笑った。
「頼りなくて不安かもしれないけどさ、何とかするから」