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I'll always be with you【アイナナ千】

第20章 ファーストキッス!



ぽつりぽつり、と私の懐かしい話をした。
終わった時に百くんの顔を見たら、ドン引きという表情。
そんな顔初めて見たから、吹き出してしまった。


『千さんは本当に子供をあやすようにキスしたんだと思う』
「オレ、まだ心が追いついてないよ!!!」
『相方の聞きたくないような話してごめん』
「気にしないで!里那ちゃんには感謝してもしきれない色んな恩があるし、里那ちゃんの愚痴なんて初めてじゃない?モモちゃん何時間でも聞くよ!」
『百くんありがと』


私が小さい頃、転んで泣いた時にお兄ちゃんが駄菓子を買ってくれた事があった。
千さんにとっては、このお兄ちゃんと同じような気持ちでしたのだろう。


「相方をやっていても、今だにユキに驚かされる事があるとはな〜」
『百くんと組み始めた時には落ち着いてたからね』
「バンさんから話聞いた時も、びっくりなのが結構あったよ!」
『女性関係は本当にだらしなかったから!きっと、その経験から女性が泣いた時には、キスが良いって思っちゃったんだろうな...』


百くんと組んでからは、女性関係の線引きをかなりしっかりしていた。
出会った当初を考えたら本当に見違えるようだ。

でも、価値観は180度変わるわけではないし、名残みたいなものもあるだろう。


「いや、でも、本当に二人が無事にくっついてよかった!」
『ええ?』
「今回のことを聞いて改めて思ったよ!ユキには里那ちゃんしか無理!モモちゃんは二人が幸せになることを全力で願ってるよ」
『あはは、ありがと』
「それで、里那ちゃんはどうしたい?過去は変えられないから、今のユキにはどうも出来ないよ」


百くんは真面目な顔になって切り出した。

そうなのだ。
ファーストキスも酔った戯言通りにキスしたのも変えられない。


「ファーストキスをユキが思い出したら、すっきりしそう?」
『いや、むしろ、嫌かも。あれに気持ちは入っててほしくないから、その日の朝ごはんを思い出すのが無理な様に、当たり前に忘れてる記憶であってほしい』
「なるほどね。じゃあ、どうやって決着つけたい?」
『そうなんだよね、それが難しい!謝ってほしいわけでもないし、ちょっと考えてみるよ』


話し込んでいたら遅い時間になっており、百くんにごめんとお礼を言って、自分の家に帰った。

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