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I'll always be with you【アイナナ千】

第23章 初めての夜 ※




そのあとは、気持ち良すぎて余り覚えてない。
大きな快楽の波に、そのまま意識を手放した。
意識を手放す前の千さんの煽情的な表情だけが、記憶に残ってる。





重い瞼をゆっくり開けると、目の前には千さんの整った顔。
私が起きたのに気づくと、驚いた表情に変わる。

「ん、起きた」
『んん、千さん...』
「やりすぎちゃった、ごめんね」


私は記憶を手繰り寄せ、千さんと身体を重ねたことを思い出す。
私の体は、先ほどの出来事が夢かのように、いつのまにかパジャマを身に纏っていた。
でも、腰に残る怠さで本当にしちゃったんだ、としみじみ感じた。


『大丈夫だよ、すごい幸せ』
「そう」
『千さんは?私じゃ物足りなかったとか、後悔してない?』
「ふふっ、そんな事心配してたの?」
『笑い事じゃないよ!千さんとは経験値が違うのは分かってたし。私、最後意識とんじゃったし...』
「君がいいよ」


千さんは素っ気ない言葉だったけど、優しく微笑むその表情と頭を撫でる手の優しさに言葉以上の気持ちが伝わってくる。


「里那も初めてだっただろうけど、僕も処女を抱くのは初めてだ」
『えっ、うん』
「こんなに愛しく感じるのも初めてで、僕の方が心配だったよ。君を傷つけるのが想像以上に怖くて」
『お互い心配だったんだね』
「まあ、我慢出来なくて、結局無理させちゃったけどね」
『それすら嬉しいって思っちゃうぐらいには、千さんに惚れてるから大丈夫だよ』
「里那も言うようになったな」


珍しく気弱な千さんが、何だか可愛らしい。


「体は大丈夫?」
『大丈夫だと思う、ちょっとだるいぐらい、かな?』
「そう、良かった。明日は予定ないでしょ?」
『うん』
「明日の朝は僕がご飯作るから、気にせずゆっくりおやすみ」
『ありがとう、千さんおやすみ』


ゆっくり背中をトントンされると、寝起きの体は直ぐにまた眠りの世界に誘われていく。


体も気持ちも千さんに大切にされた幸せに包まれたまま眠りについた。
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