I'll always be with you【アイナナ千】
第19章 Re:member
新しいRe:valeのコンサートの初めて見に行った。
二人のコンサートを受け入れられるのか怖さもあったんだけど、きっと大丈夫。
久しぶりのステージ上の千さんと、練習を頑張ってきた百くん。
応援したい!盛り上げたい!
コンサートが楽しみで、当日が近づくにつれ気持ちがそわそわ浮ついた。
千さんと百くんには、コンサート見に行くね!と伝えてある。
二人とも、とても喜んでくれてた。
まだまだ小さいライブハウスでのコンサート。
前にRe:valeのコンサートで見かけたことのある人もいた。
Re:vale再始動の情報を聞いて、見にきた人達なのだろう。
千さんのファンのほうが多かったが、【百】と書いてあるうちわを持った人もいた。
アイドルになると決めて数ヶ月でファンが出来ちゃうとは...やはり、百くんは天性のアイドルだ。
百くんの笑顔は、見てると本当に元気に貰えるからね!
ライブハウスの注意事項等のアナウンスが入る。
「やば、はじまるっ!」
「ユキ、こっち見てくれるかなぁ」
「モモくんはみんなのこと見てくれるよ!」
ざわざわ...
みんなのアイドルの登場を控えて、会場が熱につつまれていく。
全身に血が巡る。
立ってる感覚がなくなってくる。
熱いのに、手足の感覚が全くなく、冷たくなっていく。
苦しい。
視界がチカチカする。
息が...できない...
助けて...
死んじゃう
たすけて!!!!
誰か...
お兄ちゃん、千さん...
...里那!」
ん、
「里那!!!」
千さんの声...
『...ん、』
「里那っ!」
千さん。
ひどい顔。
心配かけちゃったのかな。
『ごめんね...』
体をきつく抱きしめられる。
「いいんだ。謝るのは僕のほうだ」
『千さん...』
徐々に周りの状況を把握していく。
無機質な天井、真っ白のベットとカーテン、腕からつながる管。
ここは病院だ。
私はコンサートを見れなかったんだな。