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I'll always be with you【アイナナ千】

第18章 コンサートには愛がいっぱい



『手を出すって、普通にコンサート見に来てって言われただけだよ?』
「そのやり方がタチ悪いよね」
『ずっと見に行けてなかったから、単純にその分見てよ!ていう事でしょ?不純な動機じゃないと思うけど...』
「純粋な方が嫌だよ」


千さんの言葉を理解したいけど、分かりそうで分からない。
口下手だし、言葉が足りないことなんて、いつものことだけど...訳が分からずの中はぐるぐるだ。


『ごめん、ちゃんと説明してくれないと分からない』
「...ステージは、アイドルの自分が一番輝いてる瞬間だ。一番かっこいいところを見て!俺だけを見てて!て、告白みたいなものだろう。不純でも純粋でも、彼女がこれからもそうやってアプローチされるのは腹が立つ」
『...』
「コンサートは僕の曲を通して、自分の全てを見せて伝えているような気分だよ。その分、ファンが僕の歌を喜んで愛してくれたら、それだけで満たされて、息が出来る。里那に僕だけを見にコンサートに来てなんて、僕にとって一世一代の告白だよ」


私はファンの目線しか知らない。
ステージに立つ人の気持ちは味わえない。
けど、千さんのコンサートへの熱が伝わってきた。


『私はアイドルじゃないから千さんの気持ち全ては分からないけど、ちゃんと今ごめんねって思ったよ』
「そう」
『でも、忘れないで欲しいのは、他のアイドルのどんなにかっこいい姿を見ても、私は重いユキ担だから。年季の入ったRe:vale推し!私がファンサを貰って泣いちゃうのは、ユキだけだと思うよ』
「へえ、重いユキ担なの?」
『激重だよ』


お兄ちゃんと組んでる時から、根っからのユキ担だ。
ある意味ガチ恋勢だったし。
百くんは、箱推し!両推し!と言ってた。
Re:vale愛は負けたとしても、ユキ愛は良い勝負が出来る自信がある。


「それは初めて知ったな。昔からあんまり言わなかっただろ」
『だって、千さんそういうの嫌いだったじゃん』
「ふふっ、そうね」
『顔が好きなんでしょ?とか言われたらブチ切れてたと思う。大好きなユキ自身に言われても、殴りそうなぐらいユキが好きだったよ』
「里那が僕を殴るの?僕の顔も好きなくせに」
『うわぁ、今、イラってきたわ。百くんはイケメン!って言ってくれるかもしれないけど、私は思ってても簡単には言わないからね?』

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