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I'll always be with you【アイナナ千】

第16章 永遠に




千さんのギターの音色が心地よく響き始める。

温かいメロディーだった。

歌声はとても優しい。


   君との約束を守って
   新しい誓いを
   I'll always be with you


千さんの想いがまっすぐに伝わってくる歌詞。


千さんは自分の身を削るように、心血注いで一曲を作る。
素敵な曲と千さんのかけた時間や労力。
千さんの痛いほどの好きの気持ちが伝わってくる。



   君との約束は永遠に
   これからも囁いて
   I'll always be with you


私のための歌が甘く切なく終わる。



「泣いてるの?」

千さんに言われて、はっと気づく。
目から、すーっと涙が溢れた。

『え、、、わ、わたし、泣いてるのか』
「ふふっ、気づいてなかったの」
『歌に夢中で...』


千さんは服の袖で私の涙をそっと拭った。


「里那がコンサートに見に来た日から、君への曲のフレーズ沢山浮かんできた。僕は、僕の中にある気持ちしか、曲にできない。この曲が全てだよ」
『うん、ありがとう。私も今のこの気持ちの全てを千さんに伝えたいけど、言葉じゃうまく表せなくて...』
「いいよ。君が頷いてくれれば」


私の気持ちは決めてきた。
まさか、こんな感動のサプライズが準備されてるとは思わなかった。

千さんは、私の頭を優しく撫でる。



「僕と結婚しよう」

『はい!と、っえ、まって、、、ん?』



千さんは、とんでもないことを当たり前ようにさらりと言った。
私の反応にも動じず、まるで正解かのように優しく微笑んでいる。

まさかプロポーズされるとは思っていなくて、普通の告白が来たと思って、気持ちのまま反射的に応えてしまった。


「君が言ったんだろう、捨てられるのが不安だって」
『いや、言ったけど...』
「結婚すれば簡単に離れられないし、里那への気持ちの重さが分かるだろう」
『気持ちは嬉しいけど、大丈夫だから!』


千さんは首を傾げる。

「たまに頑固な所は万と似てるな」
『違うって!』
「何が違うんだ」
『千さんは曲の準備してくれたけど、私は気持ちを準備してきたよ』
「へえ、きかせて」


ゆっくり深呼吸をした。

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