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I'll always be with you【アイナナ千】

第16章 永遠に




『私は千さんのことが大好き、ずっと前から好き』
「うん、知ってる」
『知れば知るほど好きな気持ちが増して、今度は千さんと離れるのが怖くなっちゃったの。でも、千さんはそんな私の事を好きって言ってくれたよね?』
「そうね」
『怖い気持ちもあるけど、それ以上に好きだから。千さんと幸せになりたい...あなたの彼女にしてくれませんか?』
「いいよ。奥さんでもいいけど?」
『それは、段階進みすぎちゃってるから!』


岡崎さんが今の言葉聞いたら失神してしまう。
胃薬どころじゃ済まない。


「僕は本気なんだけど」
『本気なのは嬉しいよ!』
「そうでしょ?僕の歌はそういう永遠を歌ったんだけどね」
『うん。私も永遠が良いなって思ってるよ。だからね?』
「ん?」
『一緒にいれば、そういうタイミングがあると思うよ』


そうね、と千さんは呟いてから、椅子から立ち上がる。
腰を屈めて、私の顔を覗き込む。

千さんの端正な綺麗な顔はいつまで経っても見慣れることはない。
至近距離で改めて見つめられると恥ずかしくてすぐに目を逸らしたくなる。

それを防ぐかのように千さんは私の頬に手を添えた。


「いい?」


話の流れなんてなくて、言葉足らずだけど、伝わった。
長年、側に居た勘なのかな?



目を瞑る。

頬に手を添えられたまま、顔をゆっくり上に向けられる。

その瞬間に感じる、唇に温かい感触。



想いが通じ合ったあとの初めてのキスは、甘くて可愛いキスだった。
数秒触れ合っていただけのキス。


ゆっくり唇の感謝が離れて、目を開ける。

珍しく、少し照れているような千さんの顔。


言葉足らずで、不器用な千さん。
でも、今の表情や歌はあまりにも真っ直ぐで、私のことを好きだという気持ちがこれほどまでに伝わってくる。



「ふふっ、里那愛してるよ」
『私も、愛してる』


私たちは何方からともなく、もう一度キスをした。





過去の約束に甘えないで、誠実に約束を守りたい。
ずっと愛しい貴方の側にいるよ。



  —Fin—
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