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I'll always be with you【アイナナ千】

第13章 コンサート




暗くなっていくと同時に、心拍数が急激に上がっていくのが分かった。

全身にどくどくと血が巡っていく。
心臓の音がうるさく、身体中に響く。



あっ、


息が、できないっ!


気づいた時には、呼吸の仕方を忘れたかのように気管が閉まっていく感覚。




苦しいっ...!


誰か...たすけて...



メインステージの大画面に映像が流れ始める。

盛大な歓声が上がる!


会場を割るような大きな歓声も拍手の音も、遠ざかっていく。




...里那!里那!!!!」



お兄ちゃん...


お兄ちゃんの声だ

「大丈夫、ゆっくり深呼吸して!」


深呼吸...

真っ白になっていた頭の中が、少しずつ状況を把握し始める。



目の前が一気にパッと明るくなる。

白のキラキラな照明。
ピンクとグリーンの無数のサイリウムの光。



『お、おにいちゃ、「里那!」』

『私...』
「大丈夫?」


光に照らされた兄の顔は、優しい顔をしていた。


お兄ちゃんは私のそばにもう居る。
コンサートは、色んな人の夢が沢山つまった楽しいものだよね。

とっても哀しく残酷に終わっていた思い出が進み出す。


「こんにちは〜!僕たちが」
「「Re:valeです!」」

耳に届いてきたのは元気いっぱいの声と大好きで愛しい声。


「今日もみんな楽しく盛り上がっていこ〜!」
「僕たちは準備出来てるけど、みんなは?」
「キャー!!!!」
「ふふっ、みんなも大丈夫みたいだね」
「元気いっぱいだね!じゃあ、早速、1曲目いくよー!」


二人を見たい!
二人の歌を聴きたい!

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