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I'll always be with you【アイナナ千】

第11章 譲れない想い




『千さんの言う通りだよ。私は千さんのことが好き。めちゃくちゃ好き』
「へえ、認めたね」
『だけど付き合えない...』
「なぜだ」
『私の気持ちよりも、私は千さんのそばにいるのが大事なの。もしも千さんと付き合ったら...』
「いいじゃない。もっと近くにいれるよ」
『きっと...そのままもっと欲張りになって、面倒な女になっちゃう。それで、千さんが私のこと嫌になって捨てられたら?私はそばに居られなくなるでしょ!』
「は?」
『は?とか言わないで!今までの自分の恋愛遍歴を思い返してよ』


千さんは明らかに呆れてるような、イラついているようだ。


「今までも里那とは一緒にいれただろう。恋人になっても同じだ」
『同じじゃない!今までは私は妹だって言い聞かせてきたの。恋人になったら、今の距離感じゃ我慢できなっ、っ!』


急に頭の後ろに腕を回され、引き寄せられる。
体勢を崩され、唇を奪われる。
右手で千さんの体を思いっきり押す。


『なにしてんの?!ふざけな「僕が今の距離じゃ我慢できないって言っているんだ!良かったな、里那と同じことを思っているよ」

全力で千さんを睨んで、威嚇する。
千さんも引き下がらないというように、冷たい視線をこちらに向ける。


『全然違う』
「何が違う?」
『単純な距離の近さじゃないんだって』
「関係値の深さの違いとでも言うのか?元々、関係値は深いでしょ」
『近くても、妹という言葉で線引き出来てたの。妹じゃなくなった時に、余計なことを言ってしまうかもしれない』
「里那は何も言わないから、少しは我儘を言ってほしいぐらいだけど」
『はあ...その我儘がRe:valeの重荷になるかもしれないのに?』
「へえ、君が僕たちを困らせるようなことを言うのか?」
『い、言いたくないけど分からないでしょ!』
「君には僕たちを困らせるような事出来ないよ」
『もしも、その信頼を裏切るようなことをしたら?』
「なんと言えば安心するんだ。僕が君を捨てることはない」


ほら、ねえ、違うの。
千さん。
その言葉はすごく嬉しくて、すごく辛いんだよ。

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